箱崎さんのことを思った
僕にとっては
具合のいい存在だったが
彼女自身は
どう感じていたんだろう
他の誰よりも
言葉を交わしていたはずだけど
彼女自身のことは何ひとつ知らない
それは他の人達にも言える
話しかけられたら
出来るだけ感じよく答えるよう
心がけていた
だがそれらは
常に話しかけられることが
前提となっていた
僕は周りの人達を
見ていただろうか
ひとりひとりを
見ようとしていただろうか
いや
僕と僕以外として
捉えていたように思う
僕は思った
”なんてヒドイ奴”