今日からTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 part5〜黄金の風』が始まった。
原作は「週刊少年ジャンプ」に連載されている荒木飛呂彦の漫画。私が大学生の頃から連載が始まり、かれこれ30年以上続いている。
私は7年前、この私のブログのタイトルをこの漫画からパクった。笑

最初は19世紀末のイギリスが舞台。ジョナサン・ジョスター=ジョジョが主人公で、その血脈を辿り、世代を辿りながら、舞台をアメリカ、イタリア、日本などに移しながら現代まで続き(パラレルワールドも含みつつ)、現在『part8』が連載中で、単行本はトータル100巻を超える。
今回TVアニメとして放映される『part5』は23年ほど前から4年間かけて「週刊少年ジャンプ」に連載されたものである。時代は1990年代、舞台はイタリア、主人公はジョルノ・ジョバァーナ=ジョジョである。

この漫画は「週刊少年ジャンプ」全盛期の80〜90年代、『ドラゴン・ボール』や『北斗の拳』と同時期に連載が始まった。
簡単に言うと前記二つの漫画と同様のバトル系の成長物語(ビルドゥングスロマーン)なのだが、『ジョジョ』シリーズは前記二つの漫画とは決定的に違う点がある。
『ドラゴン・ボール』『北斗の拳』の主人公は負ける事を通して強くなる。何度も負け、ある時は死んだのに(反則的に)復活して強くなる。しかも、また更に強い敵が現れ、主人公もまた更に強くなり、無限に強くなっていく。
要は作者の意図に反して、連載を終わらせたくない出版社の意向なのだろうが、、、苦笑
これらの2作品が登場人物の強さの無限インフレーションを起こし、私も正直言って食傷気味になっている頃に『ジョジョ』の連載が始まった。


『ジョジョ』シリーズの主人公や登場人物は肉体的に成長したり強くなることはない。その代わりに、個々の登場人物にはそれぞれ個有の定められた宿命(=スタンド能力という)が与えられている。しかし同時に彼らはその宿命(=スタンド能力)を決して超えることは出来ない。出来ないというか、彼らは皆、自分の宿命を信じ、愛し、宿命に生きる覚悟をしている。
登場人物は遭遇した敵や困難を前に、自分の定められた宿命(=スタンド能力)を信じ、愛し、覚悟をし、希望を捨てず諦めず、困難を乗り越え突破すべく、自分の宿命の極限まで思考し続ける。彼らはそこで、常に「思考する力~突破力」=精神力が試されるのである。
そして、生きることを諦めず思考し続けた者だけが困難を突破し運命を切り開き、生きることを諦め思考停止した者は困難の前でリタイアし運命に挫折する。それが『ジョジョ』の世界観。

 

 

だが 暗闇に道を開くのは「覚悟」のある者だけだ...

「覚悟」とは!!
暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!

by ジョルノ・ジョバァーナ@『ジョジョの奇妙な冒険 part5〜黄金の風』


私は友人に「天才は有限。努力は無限」であると教わったが、『ジョジョ』はまさにそのことを物語る漫画である。
そのことは「肉体は有限。精神、思考は無限」と言い換えてもいいし、「宿命は有限。しかし宿命が切り開く運命は無限」と言い換えてもいい。

 



では、「思考する力~突破力」=精神力を支えるものは何だろう。
『ジョジョ』において、それは夢であったり、愛情であったり、友情であったり、正義であったり、敬意であったり、祈りであったり、、、。
作者荒木飛呂彦が言う通り、『ジョジョ』のテーマは「人間讃歌」である。

人間であることは素晴らしい...。

 

しかし、私が7年前、暗闇の中で「この世のメモ」として始めた自分のブログのタイトルを『ジョジョの奇妙な冒険』から何故拝借したのか、既に藪の中である。