病 名: 胃幽門部癌


 手術名: 幽門側胃切除術

  2/3胃の出口側


 初期ではなく進行癌 ステージⅡ〜Ⅳ

 癌の大きさ8cm腹腔鏡ではなく開腹手術


    まずは腹腔鏡で、癌が表面に出ていないか。

 お腹の中にこぼれていないか。チェックして

 可能であれば開腹手術に切り替え。


 可能でなければ、

 手術は中止して 即抗癌剤治療に切り替えます。


 そう言われていた。



当日の朝、

手術する場所にマジックで印を書かれた。

みぞおちからお臍まで。約20センチはある。

よくよく見るとほんとに大きく切るんだと痛感。


手術30分前に母と姉が病室に来てくれて

少し話をして、印も見せた。

15分前には手術着に着替え、いよいよだと思った。 


手術室へ歩いて移動する。

「昨日は眠れましたか?」と聞かれ、

「はい!ぐっすり眠りました」と答えると、

「それは良かったです。男性の方は眠れなかった

 って言う人がほとんどなんですよ〜」

なんて、言っていた。


術後は絶対に痛くて眠れないだろうから、

いかに体力を温存しておくか、

それには睡眠が1番だと思った。


不安ももちろんあるが、あとは

担当医を信じてお任せするしかない。


手術が出来ればラッキーだと思いながら、

手術台にあがった。



麻酔から覚める際、体の震えから

意識が少し戻るもまた寝たり、そんな中、

隣の部屋、集中治療室に移動したのがわかった。


その際、主治医の先生が、

「悪いところは全部取ったからね」

「十二指腸まで癌があったからそれも切ったよ」

そう言われた。


一瞬喜んだが、転移があったのか。

そう思うとショックだった。


でもすぐ切り替えた。手術が出来て悪いところも

取ってもらえたんだから、あとは私が頑張る番だ。


しばらくして母が呼ばれ

少しの間そばに居て帰ったのがわかった。


そこからが長かった。


酸素マスクが常にあり、

鼻から喉に管が入っているのがわかり

不快でたまらないが、ひたすら耐える。


どの体勢が楽なのか探って、

クッション入れてもらったり抜いたり、

いろんな調整をしてもらうのに何度もコール。

とにかく楽な姿勢を探した。


病室に戻れるのは次の日の午前。

早く部屋に戻りたい。そう思うが、

時間もわからず、長い長い一晩を過ごした。


夜には、鼻の気管チューブを抜いてもらえて、

歯磨きしましょうと。歯ブラシを持たされた。

手術直後に歯磨き促されるだなんて思わず驚き。


これでむせたら傷に響くと思い慎重に磨いた。



ほとんど眠れることはなく、この日は終わった。