「コンビニ外国人」
芹澤健介
📝最近増加している外国人労働者、特に、コンビニで働く外国人を中心に取材したレポートです。
📝外国人労働者は、大きく二つに分けられます。仕事が目的で日本に来た人と、留学生として来た人です。前者は、「看護・介護の有資格者」「技能実習生」「高度専門職」などが該当します。
一方、この本で取り上げるコンビニのアルバイト店員は、多くが留学生です。
留学生は、母国で日本語を学んでから日本の大学や専門学校に入学することもありますが、そこまで日本語に堪能でない場合、あるいは日本語習得だけを目的としている場合は、日本に来てからまず日本語学校へ行きます。
彼らは留学ビザなので、労働時間に規定があり、週28時間までとなっています。しかし実際には、それを超えて働いている人がいます。
開発途上国(最近ではベトナム、ネパールが増えています)からの留学生にとって、日本の学校の学費は大金です。平均月収で比較しても10倍程度の差があります。借金してまで渡日し、日本でも働いて、学費や生活費も払わなくてはならない。週28時間労働で得る収入では足りないのです。
学費の支払いが滞れば退学となり、留学ビザも取り消され本国に帰されます。ですが、規定オーバーがバレても強制送還、あとには借金が残るだけになってしまいます。
📝中には悪徳日本語学校も存在します。留学と労働をセットにして契約、学費は後払いで良いからと言って、関連会社で長時間労働させ学費や寮費を給料から天引きし、実質わずかな給料で労働力を搾取するのです。現地には斡旋人もあり、まるで奴隷買いです。
📝驚いたことは、沖縄のコンビニでのインターンシップです。
夏休みの間だけ、台湾で日本語を学ぶ大学生を、アルバイトで雇います。夏の沖縄は観光客が多く、コンビニは人手が足りません。一方学生は夏休み中なので、沖縄に来て住み込みで働くことができます。
ですがこの観光客というのがインバウンド、主に中国人なのだそうです。日本で、台湾人学生が、中国人観光客相手に接客。不思議な感じですが、少子化で労働人口の減っている日本では、これもそのうち珍しくない光景になるのでしょうか…?
📝と、インバウンド景気に沸いていた、2017年に書かれた本でした。オリンピックも予定通り2020年に開催される前提で書かれていますし…何とも切ないですね😭
📝(追記)
そういえば、初めての緊急事態宣言が出された頃、収入が減って困窮している留学生のための食品や生活用品のカンパのお知らせを、自治体の広報誌で見た気がします。バイト先を解雇になった人もいたかもしれません…
その後、どうなったのでしょうか😥
🗓4/17 読了