白血病とは血液の工場(骨髄)で不良品(白血病細胞に冒された芽球)がたくさん製造されて
市場に正規品(白血球、赤血球、血小板)が回らず不良品だらけになってしまい、
日常生活がにっちもさっちもいかなくなった状態。
そうするとちょっとしたトラブル(出血、感染症、貧血)なんかも対応できずに生命の危機に陥るという病気。
そこで血液工場の電源を一時止めて不良品も正規品も作れなくし、
不良品を作っていた悪者をこらしめるという対応(抗がん剤=化学療法=ケモ)をします。
長期に電源を止めておくと正規品が出回らなくなって命の危険が増すため
電源を止めるのは一時的でそれを何度か繰り返します。(寛解導入療法~地固め療法など)
そういったことをやると、一時的に不良品が少なくなり、市場に正規品が少しずつ出回り始める(寛解)が、
放置しておくと悪者がまた不良品を少しずつ作り始めてしまうので治療は何度かやらないといけないわけです。
工場の機能がストップして正規品が市場から減りすぎてしまうと
海外から正規品を輸入(血小板や赤血球の輸血、抗生剤や抗真菌剤の点滴)します。
不良品を作ってる悪者はタチのいい奴らから悪い奴らもいて、
こらしめきれないタイプ(予後不良タイプ、抗がん剤抵抗性タイプなど)の白血病では
工場内のすべての職員をリストラして新たに外部の職員で生産を再開(造血幹細胞移植)します。
その間は海外からの輸入(輸血、点滴)や政府からの資金援助(G‐CSF:白血球を増やすように刺激する薬剤)で対応します。
外部職員といってもどんな職員が来てくれるかわかりません。
優秀な職員からそうでない職員まで。すぐ来てくれたり遅かったり。
(臍帯血移植、骨髄移植など)
こういった対応をして晴れて不良品を作る悪者がいなくなって工場が正規品のみを作れる状態になると退院になります。
退院後も定期的に市場の正規品検査(採血検査)と工場の検査を行い(マルク=骨髄検査)、約5年間不良品が工場内で増えなければ完治となります。
月並みな工場の話で書きましたが、わかりましたでしょうか?
そして、私のブログで登場する略語ですが・・・
①WBC(白血球):細菌、ウイルスを排除する役割
②HGB(ヘモグロビン):赤血球をもとに作られ体内に酸素を運ぶ役割
③PLT(血小板):外傷、内出血など出血時に止血する役割
ちなみに治療中に正常値に戻ることは稀です。
正常値を考えるより、数値の変化をチェックすることが大切です。
数値で見るべきは・・・・
好中球(白血球の一部)>1000
血小板>10万
骨髄中の芽球<5%
これが確保できているかどうかです。以上が寛解の定義。
それとどの程度まで下がると危険か・・・
一般的には、
血小板<2万
ヘモグロビン<6.0
上記を下回ると、それぞれ血小板輸血(黄色)、赤血球輸血(赤色)をおこないます。
貧血からくる転倒のリスクと出血傾向によるリスクを注意しなければいけません。
好中球<500
では感染症のリスクが上がるので清潔を保つ必要があります。