WIREDで「科学論文の不正を支える組織が急成長している:研究結果」という記事を目にしました。

 

不正な科学論文の増加率が、正当な研究を上回っている

研究者、学術機関、政府機関、民間企業、情報発信プラットフォームが構築してきたこの仕組みに、この数年で崩壊の兆しが表れている

研究機関や個人の影響力の大きさを測る目安として急速に定着した結果、無秩序な競争が生まれ、研究資金や奨励金、報酬の分配における格差が拡大しています」と、執筆者たちは警告している

「すでに起きている不正にさえ対処できていないのに、生成AIの力を借りた偽の科学論文を見抜く準備ができているはずはありません」。

 

先行研究を参考にしない研究者はいない。

先人が積み上げた地道な一歩に自身の小さな一歩を積み重ね

世界のどこかで誰かが偉業に到達する。

そんなプロセスが研究なんだと思う。

 

先行研究がウソだった場合、全世界で飛躍的に無駄が生じる。

ウソを元にした研究は、結果が伴わないでしょう(前提がウソなのだから)。

ウソを元にした研究に対して、再現性を確認する研究者は、相当な労力を消費するでしょう(自分に何か不足があるのか、当該研究自体がウソなのか判断できないので)。

 

私自身が修士研究に取り組んでいた学生時代、ウソを報告したくなりました。

成果がでないと、卒業論文が書けないと思って、成果が出ないと苦しかったからです。

 

でも、自分が卒業できないことと、後輩たちへの悪影響を天秤にかけ、ウソはつけませんでした。

そもそも、ウソをついてしか卒業できない自分が、その後の社会で真っ当に活躍できるとも思えなかったですし。

 

今後、他者の研究結果を検証する(本当にそのデータは再現性があるのか)基礎研究の受託ビジネスが増えるかもしれません。

研究の総量は増えるかもしれないし、私たちの会社の売上は増えるかもしれないけど、望まない発展です。

 

悪貨は良貨を駆逐する。強いメカニズムですが

苦水を飲んだヒーローの登場に期待を寄せる側でありたい。