家から違う方向へ歩いて見つけた通り道。
猫という文字の入った通りの脇には、小さい店が連なっていて好奇心を沸き立たせた。
雑貨屋、カフェ、居酒屋…平坦な道の一本奥から険しい上り坂が覗いている。
その日は秋に差し掛かり空気が少し冷んやりとしていた。右へ曲がると住宅街に差し掛かる。
日は暮れはじめ住宅の脇から青と橙のグラデーションが垣間見える。
紅葉は夕日と違う赤色で所々が染まっている。
耳には蝉の鳴き声が名残惜しげに響き渡っている。
するとどこかの家から流れ出ている肉じゃがの旨み成分が鼻を刺激した。
どこか懐かしく感じる愛情が込められた匂いと暮れていく情景が、やわらかく身体を包み込んだ。一層涼しく感じた。
