続きです。
「鈍根」
「どんこん」と読み、性根の鈍いこと。才知の鈍い性質。対義語は「利根(りこん)」で、生まれつき利発なこと。しかし、これみたら「とね」と読んでしまいます。
「三馬」
「さんま」と振り仮名がありましたが、魚の秋刀魚のことを指すようです。「三摩」と書く場合もあるようですが、「三馬」は漱石特有の当て字だと思います。
「市楽」
「いちらく」と振り仮名がありましたが、検索すると入間市の「楽″(ラグ)」という居酒屋が出てきてしまいました。注釈には「一楽。経糸、緯糸とも先練り先染めの絹糸を用いた絹織物。しなやかで、着尺地として明治年間に広く用いられた。日清戦争以後に美服を着て湯屋へゆく人の多くなった例として一楽織の着物や羽織を着込んだ人がいたことがしるされている。」とありました。ですので、「一楽」で検索してみたら、中華街の中華料理店が出て来ました。「着尺地」も分からないので調べてみると、「きじゃくじ」と読み、着物を一枚仕立てるために必要な幅と長さを備えた布地のこと。
「屢」
「しばしば」と振り仮名がありましたが、「屢々」で「しばしば」とするのが一般的なようです。たびたび、しきりに、何度もという意味です。「しばしば」はなんとなく、「時々」みたいな意味で捉えていたので、修正出来ました。
「犇々と」
「ひしひしと」と読み、強く身に迫るさま、切実に感じるさま。「緊々と」でも「ひしひしと」と読むようです。
「愀々」
「しゅうしゅう」と振り仮名がありましたが、検索すると「鏘々」が出て来ました。しかし、こちらは「しょうしょう」なので違うのでしょう。「愀」単体でさみしい、うれえる、心配そうな顔つきに変わる、緊張して表情が引き締まるという意味になるようなので、同様の意味なのでしょう。
「索漠」
「さくばく」と読み、心を満たすものがなく、物寂しく感じるさま。荒涼として気のめいるさま。
「曠野」
「あらの」と読み、雑草が生い茂って荒れた野。
以上で「二百十日・野分」に登場した、難しい言葉を全て調べ終えました。これを調べたからと言って、すべて覚えているわけでもありませんが、徐々に共通した言葉が登場するようになって、以降の本からピックアップする言葉も減ってくるのではないかと思います。まだ、「邪宗門(上)(下)」も終わっていないし、三国志も大変な量をピックアップしているので、これから書くネタには事欠きません。