フリーランスとして自由に働くことを希望するエンジニアもいるが、一方で企業に雇用され守られた環境で働きたいエンジニアもいるだろう。エンジニアの雇用形態には、大きく分けて非正規と正社員がある。まずひと月あたりの勤務日数に違いがあるため、希望通りの働き方を選ぶことが大切だ。

また、大手のIT企業に正社員として就職するためには、長年にわたる経験や情報処理に関する高度な資格が必要となることがあり、将来的に転職を目指すうえで、非正規として数年間の実務経験を積もうとする人も少なからずいる。最近では、経営状況が安定しているIT企業を中心に、非正規と正社員の勤務条件の格差を是正しようとするところも増えており、たとえ経験が浅い人であっても、しっかりと休暇を取れるケースも珍しくない。もしも、働きながらエンジニアのスキルの向上を目指したい場合には、職場内外での研修制度のカリキュラムにこだわることで、専門的な知識や技術を少しずつ身につけるのも良いだろう。

また、エンジニアとしてある程度の業務を自律的に行えるようになるまでには、個人差があるものの数年以上の時間が必要となるため、いずれの雇用形態を選ぶ場合であっても、人事の制度がしっかりとしている職場を探すことがポイントだ。現在のところ、仕事と家庭生活の両立を果たすために、優れた休暇制度が導入されている企業を選ぼうとするエンジニアが多いが、満足のゆく職場環境で働くうえで、各企業の専門の部署のスタッフの意見を参考にしながら、余裕をもって適性に合った職場を見つけることが大事だ。

エンジニアの働き方として企業に雇用されるよりもフリーランスをするのに魅力を感じる人は大勢いる。企業に雇用されていた方が安心ではないかという考え方もあるが、エンジニアは技術力を売り物として扱って仕事ができるので、フリーランスをしても仕事に困ることはあまりない。

独立して働く魅力としてワークライフバランスを自由にできるという点があり、企業の命令に従って働かなければならない状況とは大差が生じる。企業に雇用されている立場の場合には、基本的には就業規則に従って働かなければならず、雇用主からの命令に原則として抗うことはできない。休日出勤や残業を命令されたら応じなければならない。

しかし、フリーランスをするときには労働時間については企業との交渉が可能だ。どのような労働条件で働きたいかを伝えて、企業側の要望とのすり合わせをした上で、納得できる形で働くことができる。正社員と同じ就業規則に則らなければならないということはないため、好みに応じて適切な労働条件を作り上げることができるだろう。また交渉次第で仕事の時間を固定化させることも流動的にすることも可能なので、仕事のスケジュールを決める権限を獲得できる。そのため、自分なりのワークライフバランスを考えて仕事の時間を決められる魅力が生まれるのだ。働きたいときには必死に働き、遊びたいときには存分に遊ぶといったスタイルも実現できるだろう。

IT企業では現場に正社員と非正規社員のエンジニアがいる場合が多いものの、仕事内容には両者で明確な区別が為されている場合もある。
ほとんど同じように仕事をしているようであっても、企業としては違う目的で雇用しているだろう。

正社員と非正規社員の間にあるギャップは仕事の継続性であり、基本的には正社員が行っている仕事は企業の経営方針の根幹に当たる部分を担当しているのが特徴である。
それに対して非正規社員の場合には継続的な雇用を想定していないため、中心軸からは離れた仕事に従事することが多い。
典型的なのはエンジニアが単独で完結させられる仕事に従事するものであり、基本的には正社員とのやり取りをしながら完成物を作り上げたり、既に開発が完了したシステムのメンテナンスなどを行ったりするものである。
一方、もう一つのパターンとしてプロジェクトチームの増員という位置づけの場合も多い。
プロジェクトの進行を加速させるためにチームメンバーを増強する目的で非正規社員のエンジニアが雇用されるのである。
この場合には正社員のエンジニアでは不足している技術力を補う目的である場合や、デバッグなどの手間はかかっても開発の根幹を成すわけではない部分を担当させる目的である場合が典型的だろう。
基本的には重要な部分に触れられないのが非正規社員であり、エンジニアとしてやりたい仕事ができないというのに悩まされて正社員で働くのを選ぶ人も少なくない。

しかし近年、この区別がなくなってきている企業も多い。
むしろ人材不足が深刻化しているIT業界では、人材獲得のために非正規にも高い報酬を支払う企業も増えているのが現状だ。
どちらが正解であるとは言えず、自分のやりたいことがどんな仕事なのか、何に重きを置いているのかをよく考えて選択するべきだろう。
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