岩崎優投手と横田慎太郎さんのユニホーム
やはり、プロのスポーツは
「野球がいちばん!」
3週間ほど家を離れていました。
帰宅してパソコンをひらくと数百件のメールが届いているではありませんか。老境の身なれど、まだまだ世間さまとの交流に感謝しなければなりません。ありがたや、ありがたや。
さて、こんな私ですが、いつも「10~15歳くらい若く」見られます。( いや、ホンマ! 先日も初めて入ったカラオケスナックで田端義夫の歌をうたっていたら、「おたく、一体いくつなんですか?」と好奇の目を向けられました。歌の内容と”年齢”がマッチしてないんでしょうね)―― いいじゃないですか、悪い気はしません。
で、急ぐこともないので、ゆっくり一つずつメールを吟味していました――。その間、もし、よほどの急用があればスマホに届くでしょうし、家守をしている妻から連絡があるかもしれません。つまり、気楽なもんなんです。
ただ、「しまった!」と思ったのが一件。近くの図書館に予約していた本の貸出がOKとなったのですが、受け取りに行くことが出来ず、時間切れでアウト。仕方なく、またメールで「再予約」をした次第。買ったままで、読み切れていない本もかなりあるので…大丈夫。老境は気楽なもんです。
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さて、家をあけているあいだに「阪神タイガースがリーグ優勝」しました。そのようすは外出先のテレビで観ていたのですが、子どもの頃からの阪神ファンのひとりとして、私の機嫌も上々でした。
その日の様子について、9月15日付の
朝日新聞朝刊・社会面には以下のような
「ホットな話題」が紹介されていました。
(引用します)
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ヨコと渡った 優勝への架け橋
阪神・岩崎投手 亡き同期の登場曲でマウンドへ
今季最多4万2648人が詰めかけた阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)が大合唱に包まれた。
プロ野球阪神が18年ぶりのリーグ優勝を決めた14日の巨人戦。九回に守護神の岩崎優投手(32)がマウンドへ向かうと、ゆずの「栄光の架橋(かけはし)」が流れた。
同期入団で、今年7月18日に脳腫瘍のため28歳で亡くなった横田慎太郎さんの現役時代の登場曲だ。右翼席を中心に響き始めた歌声が、やがて球場を一つにしていった。
本塁打を浴びて1点差に迫られたが、後続を断って歓喜の輪の中心となった。岡田彰布監督(65)に続き、岩崎投手が宙を舞った。その手には、背番号24の横田さんのユニホームが握られていた。
横田さんの登場曲を使うことはチームメートにも伝えていなかった。岩崎投手と同学年の原口文仁選手(31)は「ザキ(岩崎)があんなサプライズを用意しているとは知らなかった」。マスクをかぶっていた坂本誠志郎捕手(29)は「ヨコ(横田さん)の登場曲が流れたときからちょっと(涙腺が)やばかったです」。
岩崎投手は横田さんについて、「いまも(頭の)どこかにいて、頑張らないといけないなって(いう気に)させてくれる」という。
7月25日の甲子園での巨人戦は追悼試合として行われた。岡田監督が「最初からドラフト同期は投げさすと思っとった」という一戦で、岩崎投手は九回を締めた。お立ち台でかみしめるように言った。「本当に勝ててよかったです、きょうは本当に。一日一日、良い報告ができるようにしていって、最終的に一番良い報告ができるように、と思います」
14日深夜の記者会見で「栄光の架橋」を流したことについて問われると、「ヨコの分も背負って戦っていくと決めていたので」と答え、すこし間をあけて言った。「そう決めていたので。そういう思いでマウンドに上がりました」
亡き同期へ。良い報告ができた。
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横田選手は今夏、28歳の若さで亡くなったのです――。スポーツ選手はそれぞれが肉体を駆使して、”競技場”で思いを遂げるわけですが、ふつうに見れば、人間集団のなかで身体の頑強な者が集まっているので、“病気”からいちばん遠いところにいるように見えます。しかし時として、病は等しく人間の命を奪いに来るのですね。
儚いと言えば、はかない。しかし、これが人間の世界です――。しかし、周囲にいる人間は“その人”をいつまでも忘れない。このこともまた“人間の意識”の極みなのです。
目の前の“勝負”はさておき、その周辺に生まれる“友情”もまた、この世のすがたなのですから。
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スポーツは数あれど、私にとっては何と言っても「野球がいちばん」です。このブログにも書いていますが、「野球は一回一回、その展開が人生そのもの」だと私は思います。
さいわいにも、その日の胴上げが「甲子園」で、ほんとによかった。
優勝監督のインタビューでは、岡田監督がこんなことを言っていました。「シーズンに入って、選手にはファーボールをしっかり選ぶように」と。「ホームランを打て、ヒットを打て」というのは当たり前ですが、「ファーボールを選ぶように」と口に出して言う監督はそういません。
しかし考えれば、その通りなのですね。つまり、「苦心してヒット一本を得る」のも、「しっかり球を見極めてファーボールを選んで出塁する」のも同じ価値があるのです。むろん、個々人の打撃成績にも関係してくるのでファーボールばかりに気持ちをあずけるわけにはいきませんが、チームにとってそれが勝利に結びつくことも多々あるのですね。
選手にとっては、派手なホームランを打つのも自身の“夢の実現”なのですが、チームとしてはファーボールによる出塁が結果につながることも大いにあります。
とはいえ、「ファーボールを選ぶ」のもなかなか大変なことです。「見逃し三振」なんかになれば、サマになりませんからね。しかし、ボール球を無理やり振って凡打になるより、じっと我慢の「見逃しファーボール」は讃えられるでしょう。派手さはないが、勝ちゲームへの妙薬でもあるのです。
岡田監督を誉めましょう。
(記 2023.9.27 令和5)