「天皇」の存在しない日本って考えられない!
ヨーロッパの王室とは違って、日本の「天皇」は悠久の歴史を
経て現在のような姿になりました。ところが、今回の眞子さんの
結婚問題が尾を引いて、「皇室」がとんでもない方向に行きかね
ない心配が生じています。
先日発売された雑誌『AERA』(’21.11.1号)に次のような記事が
載りました。その中で、憲法学者の木村草太氏がこのように発言して
いているのです。
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~「天皇制と人権」河西秀哉と木村草太が語る~
木村 今の世論は「天皇制は続いてほしい」けど「制度改革の労は
とりたくない」というものでしょう。しかし、実際は、皇位
継承者を増やし、天皇の地位に伴う負担を軽減して即位しや
すくする制度改革をするか、皇位継承者がいなくなって、天
皇制の安楽死を待つかしかない。
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驚きましたねぇ。ここまで言うか。
今回の眞子さんの問題が発端となって、ジャーナリズムにはいろんな意見が噴出しています。ついに、「天皇制の安楽死を待つかしかない」といった、不敬きわまりない言葉まで飛び交う世になってしまったのです。
木村草太氏といえば、今の日本のおいて優秀な憲法学者のひとりだと思います。しかし天皇制について、さらっと「安楽死を待つかしかない」というあたり、驚きを超えて仰天します。左翼の先鋒なのでしょうか。せめて「即位がしやすい制度改革には、こういう方法がある…」といった言葉がほしい。が、それはムリか。
しかし、私には、「天皇の存在しない日本」は考えられません。
なぜなら、“天皇を失くした日本”になれば、日本人にある真我(神我)意識は瀑布のごとく飛沫をあげて凋落していくでしょう。世情はこうなります。「上品から下品に!」「清貧から欲得に!」……。志操を失った姿を見せるはずです。
「天皇制」を安楽死などさせません。突飛な話ですが、将来もし「天皇」が「憲法に基づく象徴天皇」から離脱するようなことになれば、こうするしかありません。
新たな「皇室」を京都御所に置くのです。天皇・皇族は国事行為や公務から離れ、悠久の歴史と聖なる神道の長を体現する「日本の象徴」として自由なる道を歩んでいけば良いのではないでしょうか。
現今の世界を見渡して、「天皇制」を布く日本のすぐれた政体を世界じゅうが認めています。多くの「王制」はあっても、「象徴天皇制」のような神聖を帯びた国は世界を見渡してもそうそうありません。
この世を席捲する専制主義、全体主義、共産主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)……私は将来にわたって、これらを容れることは出来ません。
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「天皇家」について、アインシュタインは過去にこう称えています。
「世界を驚かせた近代日本の発展は、一系の天皇を戴いている
ことにある。戦いに疲れた世界が求める盟主は、武力や金力で
はなく、あらゆる国の歴史を抜き越えた最も古くて尊い家柄で
ある天皇家を戴くアジアの高峰、日本である。われわれは神に
感謝する。われわれに日本という尊い国をつくっておいてくれ
たことを」
幕末、日本に来たヨーロッパの宣教師たちは、口を揃えて日本人の思想や資質をほめちぎっています。謹厳実直、篤実、勤勉、優美、思いやり、やさしさ……。このような資質は一体どこからくるのでしょうか。それは「天皇とともにあった」からではないでしょうか。
日本人は決して、「天皇制」を安楽死させてはならない!
(記 2021.11.3 令和3)=文化の日