厚生労働省は1日、医療費助成の対象として
検討する113の難病の案を、有識者でつくる
委員会に示した。
白血病ウイルス感染者で両足がしびれる「HTLV―1関連脊髄症」(HAM)、
目や口が乾き、関節が痛む「シェーグレン症候群」など
46の難病を新たな候補にあげた。
難病医療法が5月に成立したのを受けた。
厚労省は現在56の対象難病を、来年夏までに
2段階で約300に広げ、対象患者を現在の
78万人から150万人に増やす。
対象は、原因不明▽治療法が未確立
▽長期の療養が必要、などの要件を満たす病。
患者数は人口の0・15%にあたる
18万人未満を目安に決めた。
1日に示した案は、パーキンソン病や
潰瘍(かいよう)性大腸炎など従来対象だった
ものを中心に、来年1月から先行して助成する分。
委員会で議論し、今月中にとりまとめる。
難病の対象か情報収集が不十分な病気は
今秋以降に議論し、来年夏から助成する。
新しい制度では、医療費の患者負担は
現行の3割から2割に減る。
しかし、全額助成されていた重症者も所得に
応じて自己負担があるほか、軽症者が対象から
外れる場合もある。
■来年1月から助成される主な難病(案)と患者数
・パーキンソン病(10万8803人)
・HTLV―1関連脊髄(せきずい)症(3千人、新規)
・遠位型ミオパチー(400人、新規)
・全身性エリテマトーデス(6万122人)
・シェーグレン症候群(6万6300人、新規)
・再発性多発軟骨炎(500人、新規)
・IgA腎症(3万3千人、新規)
・網膜色素変性症(2万7158人)
・自己免疫性肝炎(1万人、新規)
・クローン病(3万6418人)
・潰瘍(かいよう)性大腸炎(14万3733人)