治療水準アップ | IBD Life +α

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クローン病とは長~いお付き合いになりました。

強がらないとやってらんない~
ここでは本音で愚痴ってバランス取らせてもらっています。

色々とありますが経験は力なりで学ばせてもらってます。

消化管に原因不明の炎症や潰瘍が生じる

炎症性腸疾患はかつて、日本ではまれな病気だったが、

近年は急増しており、治療体制の充実が急務となっている。

患者が少なかった頃から、この病気の治療に積極的に取り組んできた

兵庫医大病院(兵庫県西宮市)は、

豊富な臨床経験から得た最新の情報を他の病院に提供、

医療水準の向上を図っている。



炎症性腸疾患の急増を示すグラフ(左・潰瘍性大腸炎、右・クローン病)を指さす中村さん。

「長引く下痢や腹痛などの症状があれば早めの受診を」と呼びかける

(兵庫県西宮市で)炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎とクローン病で大半を占める。

国の統計によると、1980年代半ばでは、

国内の患者は両方で計2万人前後だった。

だが、腸の負担が増す食生活の欧米化が

進んだことなどで患者が年々増え、

2012年度は潰瘍性大腸炎が約14万4000人、

クローン病が約3万6000人に達した。

 兵庫医大病院炎症性腸疾患学講座

内科部門教授の中村志郎(54)は

「患者が少なかった時代は、当院のような一部の専門医療機関で対応できた。

だが患者が増え続ける今は、地域の医療機関で受診できる体制にする必要がある」

と考えている。

 そこで同病院は09年から、年1回のペースで

「兵庫炎症性腸疾患連携ミーティング」を開いている。

炎症性腸疾患の治療に取り組む県内各地の

約40医療機関の医師らが集まり、治療に関する最新の情報を得る。

これにより、地域の治療水準アップを目指している。

 例えばクローン病の治療。細菌などに作らせた

特殊なたんぱく質で免疫を抑える、生物学的製剤と

呼ばれる種類の新薬が02年に保険適用されたが、

使い方で効果に大きな差が出ることが分かってきた。

 生物学的製剤は、化学合成した従来タイプの薬で効果がない場合、

最終手段として使うのが一般的だった。

この方法では発症後5年以内に30%の確率で手術が必要になるという。

 同病院で約60人のクローン病患者を対象に、

発症初期の段階から生物学的製剤を用いたところ、

5年以内の手術率を8%に抑えられたという。

中村はミーティングに参加する医療機関に

こうした情報を提供、治療に生かしてもらっている。

 参加医療機関からの問い合わせには、

兵庫医大病院の炎症性腸疾患センターが窓口となり、

専門の医師が治療に関する相談に答えるほか、

重症患者の受け入れ要請にも対応する。



こうした取り組みを通じて、兵庫県内では、

まず診療所など地域の医療機関を受診し、

高度な治療が必要な場合に専門医療機関で対応するといった、

二段構えの医療体制が整いつつある。

中村は「地元で質の高い治療を受けたいという患者の願いに応えるため、

医療機関同士の連携をさらに高めたい」と決意を語った

(2014年3月30日 読売新聞)