
ギブン・イメージングは,2013年5月21日,
クローン病をはじめとする小腸病変を有する患者さん
またはそれが疑われる患者さんの診断,モニタリング,
管理における小腸用カプセル内視鏡
PillCam® SB の価値を裏付ける複数の新しい試験結果を発表した。
これらの試験結果は,フロリダ州オーランドの
オレンジカウンティコンベンションセンターで
2013年5月18日から21日の期間に開催されている
米国消化器病週間(DDW)で発表されている。
ギブン・イメージング社はこの期間中,
ブース番号1059で機器展示を行った。
米国ロサンゼルスのシーダーズ・シナイ医療センター
小腸内視鏡科副部長のNeel K. Mann, M.D.は次のように述べている。
「PillCam® SBは随分前から小腸疾患の
検出において重要なツールとみなされています。
今年のDDWで発表されている興味深い新規の試験からも,
クローン病患者の粘膜治癒のモニタリングにおける
小腸カプセル内視鏡の有用性が確認されており,
患者の治療成績の改善に役立っています。」
DDWでは,クローン病患者さんにおける
PillCam® SBの臨床的有用性や疾患管理の改善に
おけるプラスの影響を強調するポスター発表が複数報告されている。
「ワイヤレスカプセル内視鏡は
非狭窄性クローン病の転帰を改善する:
治療前後のカプセル内視鏡(CE)による評価」
(ポスター発表Sa1634)
(カリフォルニア州ロサンゼルスのシーダーズ・
シナイ医療センター消化器科,Neel K.Mann,
M.D., M.P.H.およびSimon K. Lo, M.D.)
この遡及的検討では,
クローン病が疑われる患者さんまたは
分類不能炎症性腸疾患の患者さんの60%超において,
これらの疾患表現型をカプセル内視鏡によって
再分類することができ,これにより,これらの患者さんの
転帰管理の方法が変更された可能性がある。
さらに重要なこととして,カプセル内視鏡による
治療後評価において,非狭窄性クローン病患者さんの70%に
粘膜治癒が確認され,疾患転帰の好転と治療目標の達成が示された。
「クローン病術後早期再発の評価における
小腸カプセル内視鏡:プロスペクティブな縦断的研究」
(ポスター発表Su1199)
(イタリア・ローマのトル・ヴェルガータ大学の研究者)
この研究では,クローン病術後早期再発の評価を
ゴールドスタンダードのileocolonoscopy(IC)と
比べた場合の小腸カプセル内視鏡の価値を分析した。
この研究では,クローン病の術後,
早期に小腸カプセル内視鏡を使用すると,
従来の標準手技では検出できない一部の患者集団の
上部消化管における表在性病変を可視化できると結論している。
「日本人のクローン病患者におけるカプセル内視鏡の
ルイススコアの有用性」(ポスター発表Tu1350)
(大阪医科大学第二内科学教室能田貞治助教)
この研究では,カプセル内視鏡(CE)
検査を受けたクローン病患者さん46例のデータを解析した。
この研究の目的は,小腸病変を伴うクローン病患者さんの
小腸炎症の報告を標準化する上でルイススコア(LS)が
どの程度有用であるかを評価することであった。
研究者らは次の2つの課題について検討した。
1)LSと血液データとの相関,LSとクローン病活動指数との相関,
2)臨床的寛解をCDA1<150 と定義した場合の患者さんのLS解析。
この研究の結果,CEはクローン病患者さんに有用であることが確認された。
さらに,臨床的寛解が内視鏡的寛解と
必ずしも一致しないため,ルイススコアも
クローン病患者さんに有用であることが示された。
「小腸疾患が疑われる入院患者コホートにおける8時間CEと12時間CEの比較」
(ポスター発表Tu1301)
(アリゾナ州スコッツデールのメイヨークリニック,Rafiul S. Islam, M.D.)
入院患者さんコホートにおける8時間のカプセル内視鏡検査(CE)と
12時間のCEの有所見率と検査完遂率を比較した。
本研究の目的は,CEを完遂できなかった患者さんの
特性を明らかにすることと,検出された病変タイプとの
関連性を定義することであった。
その結果,以前8時間CEで盲腸まで到達できなかった患者さんは
12時間CEで到達することができた。
さらに,8時間CEと12時間CEで検査完遂率に差がない場合でも,
12時間CEは8時間CEに比べて有所見率が有意に高かったことが確認された。
また,検査を完遂できなかった患者さんには
非肥満者が多く,糖尿病や睡眠薬の使用,
運動障害,性別による影響は見られなかった。
ギブン・イメージングは,DDW期間中,
PillCam®カプセル内視鏡の検査数が全世界で
200万症例を突破した記念を祝う。
この重要な節目は,このカプセル内視鏡が医療に
多大な効果を及ぼしていることを物語っている。