武田薬品(本社・大阪市)の子会社である日本ファーマが
韓国のバイオ企業が独自に開発した
幹細胞治療技術を輸入することが明らかになった。
韓国のアントロゼン社は、日本ファーマに
クローン性痔ろう治療剤の製造技術とノウハウを提供することで合意したと発表した。
韓国メディアは同話題を相次いで報道した。
クローン病は消化器官に潰瘍(かいよう)を誘発する慢性炎症性疾患で、
原因不明で根本的な治療法も確立されていない。
日本ではクローン患者が3万人に達すると推定されている。
中でもクローン病による痔ろうは日常生活にも大きな支障をきたす。
アントロゼン社が開発した「アディポプラス」は
患者の脂肪組織から抽出した幹細胞で製造したクローン性痔ろうの治療剤。
ソウル市内の複数の病院で行った臨床試験では、
患者22人のうち19人が完治、残りの3人も病状が緩和したという結果を得た。
韓国メディアは日本ファーマが製薬大手武田薬品の子会社であると紹介し、
「韓国企業の幹細胞治療技術が日本の有名な製薬会社に初めて輸出される」と伝えた。
同国では、日本に幹細胞治療剤の製造技術を
輸出することになった「成果」に注目、関連報道が相次いだ。
「アディポプラス」が日本で製品化するためには
日本国内での臨床試験で許可を得る必要がある。
製品化が実現すれば、400万ドルの契約金以外に15%のロイヤリティを受け取るという