いとしのマリー
江別にてイタリア料理店「マリナーラ」を営むマリさん。
私より何歳か年上であるが、お肌はツルツルでシワもなく、これが妖怪でなければボトックスの大量注射しか有り得ないと思う程の美しさである。
しかし世は非情なもので、マリさんには彼氏のかの字もない。私の様なブタの上ブスときた人間が彼氏が居なくても何の不思議も無いが、マリさんクラスで居ないとなると、「こいつ何かあるな」と思われても仕方がない。
マリさんは少々男らしいだけで、中身も何の心配もない。大丈夫である。
私はマリさんの身を案じ、「女が好きって事にすれば」とアドバイスした。
それであれば美しくて彼氏が居なくても皆納得である。
するとマリさんは激怒していた。「そんな噂流したら承知しないよ」みたいな事を言われてしまった。
お気に召さなかったらしいので、もっと良い考えはないかと知恵を絞った私は今度は、「宝塚が好きって事にすれば」と提案した。これならばストレートに「女が好き」より、オブラートに包まさった程よい感じで良いのではないか。
「どう?」と聞くと、また怒っていたので却下である。すぐ怒るので更年期が始まった心配もあるかもしれぬ。
先日、大好きな「ゲイランロロン8」で一緒にランチをしてきた。
一般の女性は完食は無理な量である所、私達はものの10分で平らげてきた。
私の愛するマリー。食べる時だけが至福の時であるらしい。
