美容室のハンサム
女性らしい所が全く無いので、せめてもと髪だけは長くしている。
しかし、美容室には年に2、3回しか行かないのでお手入れが行き届かず、自分のイメージではモデルの竹下玲奈なのだが、友人達には往年の武田鉄矢か山下達郎に例えられる。
そして、半年間も美容室に行ってなかったので、いよいよ重い腰を上げて行く事にした。遅すぎである。
担当の美容師さんは男性である。長身のハンサムボーイだ。
前から「かっこいいなあ」とは思っていたが、今回は以前に増してますますかっこよく見えた。
そうするともう止まらなくなり、髪などそっちのけで鏡越しに彼の顔ばかりを見ていた。そして仕舞いには腕とかまでまじまじと見てしまい、完全に変態レベルまで行ってしまった。
カラーリングだけのつもりが、まだまだ彼を見ていたくなったので、「すいません!カットもお願いします!」と、急にカットも申し出てしまった。大体にして、カラーリングだけというのがおかしな話なのだが。
カットもあっという間に終わってしまいそうだったので、ついには「最後おだんごにして貰えますか・・」と、セットまでお願いした。もうこれ以上は悪あがきはできない、退散である。
長身のハンサムボーイは終始クールで素敵であった。
最後に上着を着せてくれそうになったので、びちびちの上着を着ていた私は「これは着せて貰うのは無理だ!」と思い、慌てて「大丈夫です!ありがとうございます!」と、上着を奪い取った。
その後の仕事中も「かっこよかったよなあ」とずっと考え、勝手に顔がニヤついた。