さいきん | Cinemanian

さいきん

■姉の家にあった東野圭吾の『同級生』を読んでみたのだけど、主人公の高3男子にぜんぜん共感できず、自分は知らぬ間にずいぶん遠いところに来てしまったのかしら・・・と少し心配になった。
この主人公ときたら、自分が同級生の女子を妊娠させといて(しかもそんなに好きなわけじゃない。)、その子が交通事故で死んでしまうと、それを生活指導の先生が悪い!生徒のプライベートにまで踏み込んで産婦人科に行くのを監視したりするからだ!とか言っちゃって。その時点で、違うだろ、と思ってしまうんだけど、結局先生を糾弾してたのは自分の体裁のためだったって自己反省するものの、最後まで妊娠させてしまったことへのほんきの反省がないってことに、そのへんの話題が琴線に触れるアラサー(この言い方も・・・)としては、ちょっとまってよ、という感想しか持てなかった。
その考えの足りなさも若さゆえ・・・ってことなんだろうか。
解説読んでさらに嫌~な気分に。

■別々の友達との会話で話題になった浅野いにおのマンガ『ソラニン』を読んでみた。
種田のことを「青臭い」と笑ってしまうこともできないし、種田がとった行動に対して泣くこともできない、ちょうど中間地点に今の自分はいるなあと。
夏に高架沿いの道を二人で歩いていたり、夕暮れの土手だったり、小田急線のホームだったり、築数十年のアパートだったり、動物園に行く?なんて話をしながらソファで兄弟みたいに足を交差させる(プロレスのような状態ですね。)芽衣子さんと種田、のような何気ない日常の描写から漂ってくる20代の空気みたいなものにとてもグっときた。
それにしても何を幸せと思うかはそれぞれだな、と思った。

■『アメリカン・ティーン』のことをタイトルだけで『ハイスクール・ミュージカル』のようなものだと思い込んでいたせいでスルーしていたのだけど、宇多丸の評を遡って聞いてみて、『初体験!リッジモンド・ハイ』の実写版ともいうべきドキュメンタリーだというこの作品を見ないわけにはいかないので、ピープルになければ新宿TSUTAYAまで行かなきゃな、雨だけど。ひさしぶりに『ブレックファスト・クラブ』も見たい。
こうゆう作品を見てどう思うかで、自分がほんとに遠いところに来てしまったのかどうかが分かるはず。