先日,バイオマスエネルギーのシンポジウムがありました。いろいろと考えるところ大でした。そこで,シンポの内容を紹介しながら,バイオマスエネルギーについて考えてみます。

シンポの報告者は,NPO法人の代表者,東近江市・菜の花館長,農林水産省・環境政策課長,本学教員でした。簡単に報告を要約します。

バイオマス(Bio-mass)とは,生物資源量という意味の生態学の用語です。1974年の第1次石油危機以後,バイオエタノールのようなエネルギー利用できる生物資源を指すようになったそうです。

バイオマスは大きく廃棄物系バイオマス,未利用バイオマス,資源作物に分類できます。バイオマスの潜在量は,世界のエネルギー総需要量の約7-10倍あるとされ,
また,世界のエネルギー需要の1割以上を占め,石油,石炭,天然ガスに次ぐ消費量です。

国内のバイオマスの年間賦存量は,家畜排泄物が約8900万トン,下水汚泥(濃縮)7500万トン,食品廃棄物2200万トンなどです。

バイオマスを使うメリットは,第1が気候変動の防止です。
京都議定書ではカーボンニュートラル(実質的に大気中のCO2を増加させない)として評価されており,削減目標の達成のためにはバイオマスの利用拡大が不可欠といわれています。

第2は循環型社会の形成。第3は戦略的産業の育成。第4は農山漁村の活性化です。
この点で有名なのは,東近江市の菜の花エコプロジェクトです。住民主導のリサイクルシステムを1986年から開始し,今では,食とエネルギーの地産地消を進めています。興味ある人は,ホームページを参照してください。 

http://www.city.higashiomi.shiga.jp/subpage.php?p=5405&t=1152908808

アメリカやEUではバイオマス利用の取り組みは早く,研究も進んでいます。EUは07年2月15日のエネルギー担当相理事会で,太陽光,風力,バイオマスなどの再生可能なエネルギーの使用割合を2020年までに20%まで高める目標の導入で合意しました。現在は約7%です。

それに対して日本は,「2周遅れ」(農水省課長)で進んでいます。
2002年12月に「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定し,2006年3月には新たな総合戦略を策定しています。安部首相は国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を農水大臣に指示しました。その量,全燃料の1割に当たる600万KLです。でも,農水のロードマップでは5年後に5万KLと妥当な水準になっています。

さて,このように世界規模でバイオマスエネルギーの開発と利用が進んでいますが,その一方で,穀物の国際価格が急騰しています。
エネルギーと食糧のトレードオフと言えます。

本論はこれからですが,本日はこれまで。

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参考文献
・(社)日本有機資源協会『バイオマス・ニッポン』,2006年3月
・NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク『バイオマス白書2007ダイジェスト版』,2007年2月
・東京農工大学・地域エネルギー自給率向上のためのグリーンバイオマス研究グループ『バイオマスシンポジウム資料』,2007年2月
・日本経済新聞,朝刊,2007年2月16日