本日(21日),昆明から杭州に移動しました。昆明よりも車が多く,杭州はやはり大都市だなと思います。

杭州の空は靄がかかったような白い空です。出迎えに来てくれたF先生によれば,本日のP.M2.5は130で問題なしとのこと。高いときは300~500あるそうです。やばすぎ。持参したマスクを掛けようとしたら,皆から変に思われるのでやめてくださいと制止されました。(^_^; まだ,北京よりもマシですよと。トホホ

今日から2泊するホテルはデポジットを1泊900元もとるだけあって,ネットのつながりも良いようです。アップできなかった昨日の出来事からどうぞ。

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11月20日(水)
雲南民族大学のG先生と農業集団技術センターのTNさんの案内で,昆明市の北,嵩明県に日本人や日系企業が運営する3か所の農場を視察しました。この地域は「昆明経済技術発展区」と言われるところです。
1か所目はTNさんが技術顧問を務める昆明農業集団です。ここは野菜を循環型農業と減農薬・減化学肥料栽培をで生産し,中国全土に販売しています。また,葉茎菜類の様々な品種を栽培展示したり,セル成形苗を生産し,近隣の農家に分けて,出来た野菜は集荷・販売するということもやっています。そして,花きや珍しい野菜の展示,そして農家レストランを手広く行う農場です。農業労働者の賃金が上がっているのにレタスが0.6元/kgと嘆いていました。

 

次に訪問したのが,虹の華園芸です。ここの農園は日本人Tさんが設立した菊苗の生産基地です。大手S興園を中心として国内菊種苗業者が依頼した苗を大量に生産し,日本に輸出しています。
この農園の一番の問題は借地料の値上げ問題です。20年契約で農民から借りた農地の借地料を上げるように農民から要請が来ているそうです。契約書があるにも係わらず,周辺の農地の借地料が上がったから上げろと無理難題を押し付けられています。中国はまだまだ法治の国ではないようです。

 

最後に訪問したのが,徳島県に本社があるK社です。上海で育苗したシンビジュームを育成し,開花させて鉢花で中国国内で販売しています。ここではせっかく育種した品種をすぐにコピーされるという問題があります。パテントなど関係無しです。しかし,中国でビジネスするにはこのくらいでくじけてはいけないと総経理のSさんが言います。

市販苗から組織培養しても3~5年のタイムラグがあるので,その間に新品種を次々に育成し,市場を席巻するという戦略をとっているそうです。中国では知的財産権がまだまだ重視されていないようです。

3か所の農場の方々と話して,中国でビジネスを継続するたいへんさを改めて認識しました。しかし,かれらは決して将来を悲観しておらず,むしろ楽観しているようです。それは中国を一国で捉えるのではなく,各省を国として捉えて対策を考えることが大事で,トップが替われば政治も替わると言うぐらいの鷹揚さが必要みたいです。

日本国内では中国のシャドーバンキングの問題を契機として,バブル崩壊のシナリオを唱える論者が多くいますが,K社のSさんはこう言い切りました。「楽観論よりも悲観論の方が人を引きつけやすい。私は楽観論を支持する」と。

中国社会にもまれた日本人はたくましく素敵でした。また,ゆっくり会って盃を傾けたいなと思います。