
ずいぶん更新が滞ってしまいました。大学院の入試も無事終わり,私たち教員はやっと学内行政から解放され,10月1日までは研究に集中できる貴重な1ヶ月間となります。
いま,中国・成都市にいます。日本流通学会初めての試みであるスタディ・ツアーに参加しています。8月30日(月)から9月3日(金)までの予定で,成都市の製造業や小売業の企業調査を行っています。メンバーは14名で,北海道から福岡からまでの会員が参加しています。このツアーのコーディネーターはC大のS先生です。本当にありがとうございました。
さて,昨日は四川一汽トヨタ自動車有限公司(以下,四川トヨタ)に視察に行きました。四川トヨタは1998年に合弁で設立され,今年5月に郊外の成都経済技術開発区に新工場が移転したばかりです。トヨタは天津と広州に工場がありますが,四川トヨタはプラドとコースターを1万6千台製造しています。
興味深かったのは,自動車部品と完成車の物流です。H社長は最初になぜ工場を成都市に建てたかから話を始めました。自動車は重量物ですから人口が多いところに建設するのが鉄則だそうです。成都市は四川盆地に位置し,周囲を3000メートル級の山脈に囲まれています。この四川盆地には約1.2億人が住んでいるとのこと。しかし,これまでの物流はきわめて悪く,上海から成都まで貨車で1週間,春節の前後は1ヶ月間も荷が止まる状況だったそうです。そのため,揚子江を利用した川流通の整備を始めたそうです。
一方で,自動車分品は多種多様で部品製造業は広い裾野をもっています。四川トヨタの中国内産比率は車種により異なりますが,3~5割にとどまっています。中国政府からも国内産部品を使用するように「指導」があるそうで,四川トヨタも内製化するのが課題とのことでした。自動車も地産地消が進んでいると感じた調査でした。