
東京は曇天です。 今週は暑くなったり, また寒くなったり, 寒暖の激しい1週間でした。
また,今週は運営委員会と学科会議がありました。学科長になってから2回目なので,だいぶコツが掴めてきました。
でも,油断はできません。不安材料の一つは新型インフルエンザの感染拡大です。都内で感染者が確認されると,大学は休校になる可能性があるからです。神戸でヒトからヒトへの感染者が確認されたというニュースに注目しています。
じつは今日も大学に出てきています。学術振興会の特別研究員(PD)の受入研究者の評価書を書いたり,学部への提出書類を書き終わり一息ついているところです。ホント,土曜日は静かで仕事が捗ります。
さて,今日はいま読んでいる本を紹介しましょう。
池上甲一ら4名による『食の共同体-動員から連帯へ』(ナカニシヤ出版,2008年5月発行)です。
構成は以下のとおりです。
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序章 食の共同体
第1章 悲しみの米食共同体
第2章 台所のナチズム―場に埋め込まれる主婦たち
第3章 喪失の歴史としての有機農業―「逡巡の可能性」を考える
第4章 安全安心社会における食育の布置
終章 「胃袋の連帯」を目指して
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私はまだ第3章の途中までしか読んでいませんが,「第2章 台所のナチズム―場に埋め込まれる主婦たち」(藤原辰史)をとくにおもしろく読みました。
膨大な軍事費を捻出するために,毎週日曜日は国民全員が雑炊をたべて,浮いた食費を寄附させるという「雑炊の日曜日」とか,ドイツ国内で収穫されたものや旬のものを食べる運動の「無駄なくせ闘争」や,台所で発生した生ごみを回収して豚の餌にする「食糧生産援助事業」など,びっくりする内容が記述されていました。目的やゴールが違うものの,いま日本で広がっている食育や地産地消と一面似通っています。
藤原さんはこのような「食の公共化」の担い手は主婦であり,それを地方の役人やボランティアが支え,科学者も重要な役割を果たしたと述べています。
そして,ナチスの手口が巧妙だったのは,主婦に社会参加の意識を植え付け,国(第三帝国)のため,民族のため,家族のために戦っているという「誇り」を与えたことだと喝破しています。
藤原さんは,『ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』(柏書房,2005年)も上梓しています。以前から,M大のHさんに薦められていたのですが,読んでみようかと思うようになりました。
午後には郵便局のATMに取り忘れたキャッシュカードを受け取りに行きます。どなたか,物忘れに効く薬を知りませんか? やれやれ。