
忙中閑あり。 日韓フォーラムのエクスカーションの続きです。
どきどきで昼食をいただいた後,石岡市の府中誉酒造(http://www.huchuhomare.com/)に行きました。ここの若社長Yさんから話を聞きました。
ここは,安政元年から150年以上にわたって酒造りをしている歴史ある酒蔵ですが,地元で栽培している「渡船(わたりぶね)」という酒米を使った酒造りにもチャレンジしている蔵元でもあります。「渡船」は,酒米で有名な山田錦の親に当たる品種で,昔は,茨城県内でも盛んに造られていましたが,草丈が高く,収穫時期が遅く(10月末),病虫害に弱いため,作付は途絶えていました。
Yさんは県内産の酒米で酒造りを目指し,まず「渡船」の種籾をさがしました。そして,つくば市の生物資源研究所(ジーンバンク)から14グラムの籾をわけて貰ったそうです。1989年春,一坪の田圃に蒔きました。その後,八郷町(現,石岡市)の農家との出会い,昨年は8戸の農家によって4haの「渡船」を栽培したそうです。
この詳しい事実経過は,中田さんの「マイスター通信」(http://www.nakataya.com/jizake16-2.htm)をどうぞお読み下さい。
この話,「夏子の酒」とそっくりですよね。あれも実話を基にしたコミックと聞きましたが,ほかにもロマンあふれるお話しがあるものですね。
食品企業と農業者との提携関係は最近増えていますが,価格形成と需給調整が課題だと思っています。この府中酒造の場合は,生産費保障価格で原料米を買い上げていると思われます。(聞き忘れた!)そして,お酒の売れ具合に応じて,翌年の作付面積を増やしているようです。当分は,このような良好な関係が続くものと思われます。
私も,純米大吟醸「渡舟」(5合瓶)を5100円で買いました。でも,冷蔵庫に大事に保管していて,まだ栓を開けておりません。何かのお祝いまたは嬉しいことがあったときに飲もうと思っています。その時が楽しみです。
でも,品種名の「船」と酒の名前にある「舟」の字が違うのは何故なのか,聞き忘れてしまいました。