
この1ヶ月間,地産地消に関してお話をしたり,意見を述べたりする機会が結構ありました。
そして,福岡県の普及員のHさんから,「地産地消をすすめるためのコロシ文句はありませんか?」と聞かれました。実際Hさんは,奥さんに地場産野菜の購入をすすめるのに苦労しているそうです。
私は,商品を超えた地域の農林業資源の保全管理や食農教育の効果などをあげましたが,私自身もいま一つピンときません。そこで,今回は頭を整理するために,地産地消のキャッチコピーを考えてみます。もちろん,買手である消費者を対象としたものです。
消費者がある商品を買いたいと欲求するには,第1に,買手にとって使用価値がなければなりません。地場産の野菜を例にとれば,鮮度,味,品質,新奇性などでしょう。第2に,相対的に価格が安いことです。つまりコスト・パフォーマンスが高いことです。第3に,LOHASやスローライフの暮らしにこだわっている人は,上記の2点に加えて,環境負荷が少なく,社会的空費が少ないことも地場産野菜の購入理由になるかもしれません。
さて,いよいよ本題です。地産地消は長期的な食と農の建て直し運動であることは以前に述べました。つまり,地産地消を進めることは,自らの食のあり方や農業への関わり方を変えていくという運動なのです。
しかし,地産地消という言葉を知らない消費者も多いことも現実です。そのため,地産地消という言葉を広く知らしめて,その内容について理解してもらうことが第一歩です。そのために,講演会やフォーラムを開くのは有効な手段でしょう。
また,消費者にとっては,農業生産から地産地消にアプローチするよりも,食べものから入る方が容易かもしれません。地域の伝統食やハレの食事の食材は,地域独自の農産物(品種)が使われることが多いようです。伝統食を守ることは地域農業を守ることと同義になります。
ただ,農業者と消費者を食材を通じて繋がることは,現代社会においてはなかなか容易ではありません。この主体間には多くの利害関係者が存在しており,その調整役としてのコーディネーターの存在が不可欠です。福岡県のある普及員は,「地産地消は,21世紀の合言葉」と呼びかけて農産物直売所と学校給食を結びつけました。
さーて,結論です。私が考えた地産地消を消費者にすすめるキャッチコピーは次のとおりです。
「地産地消で,健やか生活」
なんだか,インパクトが小さい? 面白くない?!
では,皆さんからのキャッチコピーを募集します。よろしくね。