
1月20日,輸入解禁されたばかりのU.S.ビーフから背骨が見つかり,政府は輸入を停止しました。U.S.ビーフの安全性を担保する「輸出プログラム」の信頼が崩れてしまったのです。
このニュースを見ていた小6の娘は,「ふざけんなー」とわめいていました。(すみません,躾が悪くて)
安全と安心については,過去のブログでも書きましたが,ここでは信頼について書いてみようと思います。
まず,広辞苑を引くと信頼は「信じてたよること。『同僚を信頼する』『信頼に応える』『全幅の信頼を置く』」とあります。ちょっと簡単ですね。
次に,ジーニアス和英辞典で信頼を引くと,「trust, reliance, confidence, faith, belief, credit」の用語が並べてあり,日本語よりも語彙が多いのが分かります。たぶん,状況や対象によって使い分けするのでしょう。
信頼とよく似た用語に信用があります。同様に広辞苑で調べると,「①信じて任用すること。ア.確かだと信じて受け入れること。イ.現在の行為から考えて,将来必ず義務を履行するだろうと推測し信認すること。『客から信用を得る』②給付と反対給付との間に時間的なずれのある交換。物品を購入してその代価を後日支払う額。信用取引。」どうも経済的行為に特化した用語のようです。
一方,ジーニアス和英辞典では,「trust, confidence, credit, reliance, faith, belief, honor, dependence,」と,信頼とほぼ同様の語が続き,替わって出てきたのは,「honor, dependence」ぐらいです。英語では,信頼と信用の概念が似通っていると言えましょう。
辞書遊びはこれぐらいにしましょう。U.S.ビーフの問題に話を戻せば,一度,信頼が崩れてしまった関係を元に修復するのは並大抵のことではありません。
信頼を崩した方は,「これから,もう二度とやりません。ルールをきちんと守ります。」と,頭を下げながら言っても,それを担保するものが必要でしょう。
国内の牛肉需要をみれば,かってU.S.ビーフが担っていた部分は豪州産が代替し,品質もU.S.ビーフと遜色ないとのことです。特にテーブルミートにおいては,消費者がU.S.ビーフを選択購買するには相当の時間が必要と思われます。
この需給関係を反映してか,買手である日本がアメリカに対して強い態度で輸入停止を即刻行ったのは当然でしょう。
過去の食品偽装事件を見ても,信頼を築くのは長い時間が必要ですが,崩れるのは一瞬です。私も気をつけねば。