新年になっても忙しい日が続いていますが,皆さんはどうですか?
週末はセンター試験の監督で気が重いです。

昨日,K省で行われた勉強会に講師として出席しました。勉強会の趣旨は,人口減社会で持続可能な地域をどのようにして運営するかという興味あるテーマです。
これまで,地方自治体の首長や高名な学者の方が講演されています。私のような異端で周辺の者にオファーがあったのは不思議です。

さて,内容は「これからの農村と都市との共生」というテーマで,農林業・中山間地域に関する課題の整理と今後の取り組みについて試論を提起しました。といっても,地産地消と農産物直売所の話が中心ですが...。

今回の講演でもっとも話したかったところは最後の部分です。

農林水産省の「経営所得安定対策」(05年10月)では,450万haの農地の半分しかカバーできません。では,残り50%の農地はだれが耕すのかという問題が残ります。
私は多様な担い手のひとりとして,市民が耕すことを積極的に進めるべきだと思っています。

そこで注目したのは,ロシアのダーチャです。ダーチャとはロシアにおける菜園つきのセカンドハウスです。ロシア語でdarch(与える)という動詞から生まれたダーチャは,社会主義時代に労働者の勤労意欲高めるための休息の場,食料自給の場として,国民に支給された国有地です。車で1時間程度の距離にある平均600㎡の土地に二階建ての家,サウナ小屋,井戸,菜園などを自らの技で建設するのです。
つまり,田舎暮らしと都市生活のスイッチの切り替えを行って,大工,農民などをひとり何役も担うのです。

そして,ロシアの野菜生産量の8割,ジャガイモの9割が家庭菜園で生産されているそうです。ロシアの国民は,国を頼らず生活力を高め自衛し,自分のものは自分で作ること。お金をかけずに手間をかけるという信念を持っているようです。

日本でも,都市生活で見失いがちなのものを自然の中で取り戻したいという人は増えています。スローライフやLOHASに興味を持つ人は,このようなダーチャを望んでいるのでないでしょうか。

しかし,土地が高い日本ではただ同然で土地を600㎡も借りることは不可能でしょう。でも,都市郊外にあるかっての「ニュ-タウン」は空洞化し,廃墟となりつつあります。また,原野や雑種地のように利用されない土地も多くあります。人口減少社会のポジティブな側面として,ひとり当たりの資源利用が増えることです。
そして,土地の所有権と利用権を分離して,日本型クラインガルテンでは不可能な永年的な土地利用が出来れば,結構借りたい人はいるように思うのです。

遊休地をお持ちの自治体や企業の方,都市生活と田舎暮らしの両立ができるダーチャ村を造ってはどうですか。

(ダーチャに興味をお持ちの方には,次の文献を薦めます。豊田菜穂子『ロシアに学ぶ週末術-ダーチャのある暮らし-』WAVE出版,2005年)