
12月1日,Q大のHさんの科研(農産物の関係性マーケティング)で,宮城県田尻町に行ってきました。
田尻町の蕪栗沼(かぶくりぬま)と湿地160haと周辺水田合わせて423haが,今年の11月にラムサール条約湿地登録に認定されたのです。そして,その周辺水田で生産される有機米を「ふゆ・みず・たんぼ米」として消費者に販売しているそうです。
ところで,ラムサールという言葉の由来はご存じですか? この条約が採択された「水鳥と湿地に関する国際会議」が開催された,イラン北部,カスピ海湖畔にある町名だそうです。
もう一つの主役は,真雁(マガン)です。真雁はシベリアから冬期越冬のため日本飛来するのですが,蕪栗沼と周辺湿地には真雁のほかにオオヒシクイやオオハクチョウなど5万羽以上が飛来する国内最大の越冬地だそうです。これらの渡り鳥は蕪栗沼をねぐらとして,夜明けと同時に飛び立ち,半径10-15kmの水田をえさ場として,夜にまた沼に帰ってくるそうです。その飛び立ちと帰ってくるときの鳴き声と姿に圧倒されるそうです。是非,次の機会は見てみたいものです。
ことしの「ふゆ・みず・たんぼ米」は21haです。思ったより少ないです。これは,登録地域内の水田で無農薬・無化学肥料栽培された米しか「ふゆ・みず・たんぼ米」として表示できないからです。この仕掛け人が田尻高校の生物教師Iさんと役場係長のTさんです。今回はTさんからのヒアリングでしたが,二人にロマンを語らせると延々と話をしてくれます。Iさんは本業以上に「ふゆ・みず・たんぼ」に入れ込んでおり,近く高校教師を辞職して「NPO法人たんぼ」の理事長になるそうです。すごいですねー。
問題点は,農協との関係がうまくいっていないことです。農協はロット管理以上の「あたま」がなく,また,「ふゆ・みず・たんぼ」は,Iさんと役場主導で行っているので,農協が関与するところがないというのが実態のようです。
もう一つの問題点は,首都圏のP生協とも米の取引を行っていますが,「ふゆ・みず・たんぼ」の名称が使われず,生協のPBブランドでカタログに掲載されていることです。産地としては交流やエコ・ツーリズムだけではなく,「ふゆ・みず・たんぼ」の努力をきちんと評価してもらうことを願っています。
私たちは,12/1の田んぼに水を流す行事に立ち会いました。テレビ局が6社も来ていることにびっくり。寒風荒ぶ中,水が出るまで約1時間も待っていて,本当に凍えました。カメラマンも時間つぶしに,田んぼ見ながらなぜか笑っている私たちを撮影していましたが,夕方のニュースにはたんぼしか映っていませんでした。残念!
これからも注目したい取り組みです。