9月20日,K市にあるT研という共同購入会の調査に行ってきました。

この会はS研究会という運動体とT研という食品流通を行う事業体の連合体です。1976年12月に3人のメンバーによって発足し,最初は野菜の引き売りから始めたそうです。

この3人は,もともと学生運動家だったそうですが,食品分野に関心が移ったのは,有吉佐和子さんの『複合汚染』を嚆矢とする食品汚染や公害問題が世の中を騒がしたことでした。地域生協や大学生協の役職員も学生運動家出身の人が多いようです。

現在の共同購入会の会員数は90名で,昨年の売上高は約8000万円です。最近,会員数と売上高が高齢化により減少傾向だそうです。また,班を利用している会員は全会員の2割で,残り8割は個別宅配の利用だそうです。会員の減少傾向に歯止めを掛けるために,9月19日にアンテナショップを開いたばかりです(写真)。

共同購入には長短所両面あります。毎週,届いた商品を分けるときに,班員は顔を合わせることになりますが,これが現代版「井戸端会議」となり,さまざまな情報交換の場となります。一方,若い人はこのような関係を鬱陶しく思い,個別宅配を選択するようです。

この会の聞き取りをしてすばらしいと思った点は,野菜の生産者との援農をずーと続けていることです。2戸の農家に年間20-30回,草取りや収穫作業を延べ130名が参加しているそうです。

この援農によって,生産者は有機JASのような特別の表示を必要とせず,会員は安心して野菜を購入できるのです。ただ,援農に参加する人は限られていることも事実です。

個人的には,このような「小さな産直」にがんばって欲しいと思っていますが,この産直を維持して行くには,生産者,消費者双方に相当の努力が必要ですし,間を取り持つT研のような事業体も困難な状況が続くことだろう思います。

これからも注目していきたい共同購入会でした。