思い出したわ、襟元を見て

ミネソタの社交場みたいな名前の店で、一度再会してたのね?
はっきり言って・・・・・思い出しても違う人みたいだったよ
そういう私も別人28号だったかも
あのときはもうどうしていいかわかんなくなってて、自暴自棄だったの

私は挨拶もなしに上着を誉めた
だって、そういう夜だったし、
珍しいデザインだったし、私が男だったら買ってたと思う
素敵だなと思ったの

そしたら、君はなんて言ったかというと
かなり近い距離で、唐突に名前を出して好きですかと

「ごめん、あんまり好きじゃない」って答えたと思う
ほんとその場しのぎというか、活きた言葉を使えていなかった
ごめんなさいね、きっと傷つけちゃったよね
2回目ってことになりますね、知らなかったなんてはっかりで

そう
実際、変なフィルターかけて何年も経ってた
え、ちょっと待って、この人何言ってるのか良く判らない
っていう状態
当時の私には、あなたと名前と自分が全部一致しなかった

もしかしたら、パラレルワールド的なアレで
実際に体験したのはあなたではないかもしれないけれど
あの夜は、あなたと同じ服を着た人に
「キーワード」になってたはずの名前を言われたのに
解けなかった
時間かかりすぎだよーって怒られても仕方ない

本当の気持ちじゃなかったとしたって、「好きじゃない」って言葉は
本人を傷つけてしまう可能性が高いんだもの、言うべきではなかった
目の前の人が本人と思えなかったとしても、
ごまかすっていう意味ではなくてね
はぐらかしたりして
だまったままでも良かったよねって、今はそう思う
本当にごめんなさい

ひょっとしたら、あなたも
私だとは気がついてはいなかったかもしれない
けど、どっちにしろ「好きじゃない」って言葉は
言うべきではなかった
別次元の別の世界ではきっと、
あんな泥棒みたいな奴ほったらかして
フォーラムから近くのclubに繰り出して朝まで盛り上がったかもね

しっかし、みんな銃で撃ち殺されてもおかしくないカッコしてたよ

若さって凄いね

温かいビールとか意味わからないよね
冷たくしてあるビールとかいちいち説明しなくちゃだった
お料理は、80年代の頃よりは美味しくなっててびっくりした

あ゛ーーほんとになんですかこれはw
見に覚えがあったら連絡くださいね、本当に
大丈夫、今度は間違えない