
学びながら呑みログ 分野調整法の件
「ハイサワー」「ハイッピー」の博水社は、創業当時はラムネなどの清涼飲料メーカー。1961年のコカ・コラーの国内発売によって打撃を受けた。そして試行錯誤の結果、1980年に割材飲料の「ハイサワー」を作った。
1977年に、宝焼酎が安価の甲類焼酎「純」を発売。「養老の瀧」、「つぼ八」、「村さ来」などのチェーン酒場で、「ハイサワー」がたくさん呑まれた。
ちなみに、当時、ガラス瓶だった「ハイサワー」の大量製造、全国流通を考えていた博水社のところにペットボトルでの製造下請を申しでたのがジャパンフーズ。あの「ハイサワー缶」を作っている最大手のメーカーだ。ここまで縁が続いた。「ハイサワー」も、「ハイサワー缶」も、こんなに売れると思わなかっただろう。
割材飲料がこんなに売れると、大手のメーカーも続くだろうが、なぜか続かなかった。
1977年施行の「分野調整法」のおかげだ。正しくは「中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律」という。中小企業保護と、共存共栄のため大企業に配慮を求める法律だ。
中小企業によって成り立っている、ラムネ、ジャンメリー、チューペット、瓶のコーヒー牛乳、瓶のクリームソーダ、そして割材飲料の6種商品に限って、全国清涼飲料協同組合連合会と全国清涼飲料工業組合連合会の申出で大手のメーカーは作れなかった。
博水社も、ホッピービバレッジも、「ホイス」の後藤商店も、「バイス」のコダマ飲料も、この法律のおかげで今がある。
酒好きにとって、ありがたい法律もある。
でわ。