さて、この仕事をやっていると必ずぶつかる問題が「人を信用する」という事。悩みを抱えた企業の経営者やそのアドバイザーが相手なので、当然のことながら中には悪意を持って接してくる人もいる。さらに始末が悪いのは以前にもここに書いたが「悪いはないが世間の常識から外れていることをしている人」だ。こういう人はそれが自分の正義に則した事ならば嘘をつく事など平気だ。人の目を見て嘘を付くのは結構大変な事だが、こう言う人はそういうことも平気で出来る。それが彼らの考える正義に則しているからである。

話は逸れたが、では人を疑えばいいのか。

この仕事で最も大事なことは人に信用されること。では人に信用されるにはどうするか。

人を信用することである。

以前、東南アジアに単身で出て大成功をおさめた日本人の実業者のお話を伺う機会を得た。彼は華僑との人脈が広く、かつ深い事で知られているのだがその秘訣はやはり、信用なのだという。そして、相手よりも先に自分が信用すること。

I trust you, before you trust me.

当然のことながら、この方も自分が先に信用をしたために騙されたこともある。だが、彼が繰り返し言っていたのは

「信用しない人からは信用されない」

ということである。

人に裏切られても、めげずに指針としたい言葉である。