この厳しい経済局面、辛いこともあるのが当たり前だ。
今朝、同僚から「空がよどんでいた」と言われたので思い出した話を紹介しよう。

禅書「無門関」より:

六祖(達磨大師より数えて6代目、という意味)は風が寺の幡を鳴らして、二人の僧がそれについて対論し、一人は
「幡が動いている」
と言い、いま一人は
「風が動いている」
と言って、往復問答して理にかなわないのでそれを見て言った、
「風が動いているのでもない、幡が動いているのでもない。あなた方の心が動いているのです」
二人の僧はそれを聞いてぞっとした。


(口語訳は秋月龍珉著、「無門関を読む」(講談社学術文庫)より


動いている旗を見ている自分、そう考えると動いている旗は自分自身、ということか。

「空がよどんでいる」のではなく、「見ている人の気持ちがよどんでいる」ということなのかもしれない。



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