日豊本線の佐伯~延岡間は、列車本数の少ない区間である。大分と宮崎を結ぶ特急が、日中1時間に1本程度の割合で運転されているものの、普通列車は3往復と延岡~市棚間の区間列車が1往復だけと非常に少ない。

 延岡~市棚間の区間列車は、朝に運転されている。延岡発、7時59分の724Mが、市棚で733Mとなって折り返してくる。
 724Mで市棚へ向かう。乗客は、途中での乗降客もなく、私だけであった。朝方に、山間の町へ向かう列車なので、利用者が少ないのも当然であろう。


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 市棚駅に到着した724M

 市棚駅は、宮崎県最北部の山間にある。前日に訪ねた隣駅の宗太郎は、県境を越えた大分県にある。
 ホームは2面で1番線から3番まであり、724Mは、谷側の3番線に入線した。跨線橋を渡り、出口のある山側のホームへ行く。無人駅で駅舎はない。ベンチのある待合所に時刻表と運賃表が掲げられている。しかし、この建物は駅舎ではなく、トイレであった。トイレのホーム側に待合所が設けられているのである。


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 市棚駅待合所

 市棚での滞在時間は25分である。とりあえず、駅前通りへ出てみたものの、商店などはない。谷側を通っている国道10号線には商店や簡易郵便局が並んでいる。
 ほどなく、別府行きの特急「にちりん」が通過した。


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 市棚駅を通過する「にちりん」

 折り返し733M南宮崎行には、私の他に3人の乗客がいた。延岡に向かうの人たちであろう。ただし、帰りの列車は夕方までない。
 「ホタルの町 北川町」と記された看板のある町役場を望む、北川駅には数人の乗客が列車を待っていた。町の中心集落だけに、民家も多く、乗客も多い。日向長井、北延岡で、わずかながらの利用者を乗せ、延岡駅に戻った。



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 発車を待つ733M
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 市棚駅待折り返し列車のサボ(行先表示板)