PTA問題といっても、PTA役員または委員が抱える問題と、PTA会員が抱える問題は、分けて論ずるべきだ。
しばしばこの定義が曖昧なまま議論され、不毛な時間だけが費やされる。
前者はPTA経営に関する問題、後者はほとんどがPTA役員・委員をやりたくないことに起因する問題だ。
前者は方法論や仕組で解決できる。
しかし後者は、PTAの存続そのものも含めた、保護者・教員の教育への関わり方の問題である。
具体的にすると、強制的なまたは自動的なPTA組織への加入、そしてその上に乗った『公平』な役員・委員の選出という形をとった実質的な強制労働の問題である。
それに対する嫌悪感・不信感の問題である。
後者の問題については、1つ1つ不具合を方法論や仕組で解決しようとしても、根本的に感情がついていっていないのだからうまくいくはずがない。
そして、こうした状態で選出された役員・委員に、PTA経営の問題を解決するだけの意欲があるはずがない。
結果、前者の問題も解決されない。
完全な負のスパイラルである。
これらの問題を解決する唯一の手段は、PTAの任意加入を徹底すること。
それによってPTA活動が停滞するという不利益が生じる可能性はある。
しかし、そうでなくても停滞する運命にあるのだ。
まずは保護者・教員の嫌悪感・不信感をなくすことから始めるべきである。
そして、少なくとも気持ちの上では自発的・積極的な会員・委員・役員で構成されたPTAにするべきである。
PTA経営の話はそれからでも遅くない。
