Body,mind&soul パーソナルインストラクターのパレオドクター崎谷です。

 

 

医学部に入ると寄生虫学という学問を勉強させられました。

 

 

 

なぜこんなマイナーな話(感染症の一部)が一つの学問として成り立っているのか学生時代から不思議で仕方ありませんでした・・・・(^^♪。

 

 

 

昔は寄生虫感染が身近で深刻だったのでしょう・・・・

 

 

 

さて、慢性的な腸炎(クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病など)やアレルギー疾患などの治療で、鉤虫(こうちゅう)などの寄生虫を飲み込む治療があります。

 

 

 

10~20匹の寄生虫の幼虫を飲み込んで、腸に寄生させるという方法です・・・・(-_-;)。

 

 

 

先日のアトピー性皮膚炎総集編の講座および拙著『新・免疫革命』でお伝えした「衛生仮説(えいせいかせつ)」というものがあります。

 

 

 

 

 

簡単に説明すると、小さいころから泥にまみれて育った子供は、消毒だらけの都会の子どもより、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなどのアレルギー疾患だけでなく、関節リウマチ、SLEなどの自己免疫疾患も少ないという現象です。

 

 

 

鉤虫は、裸足で生活していると土壌から感染します。

 

 

 

皮膚に接着した鉤虫は、皮膚を突き破って血管内に入って、全身を循環します。

 

 

 

そのうち肺にいった鉤虫は、咳として喉に排出されます。それを飲み込むと腸に寄生するようになるのです。

 

 

さて、本当に鉤虫などの寄生虫を宿すメリットがあるのでしょうか?

 

 

最新の研究では、鉤虫はある炎症をストップするタンパク質を産生するといいます(Journal of Leukocyte Biology, 2018)。

 

 

 

この鉤虫の産生するタンパク質によって、アレルギーや自己免疫疾患の過剰な炎症が止まるということですね(*^-^*)。

 

 

 

しかし、私はこの寄生虫感染療法はお勧めいたしません。

 

 

過去の研究を調べても、成功例もあれば不成功例もあり、結果が一定していません。

 

 

 

実はこの寄生虫の炎症を止めるタンパク質。

 

 

 

私たち自身でも作ることができます(^_-)-☆

 

 

 

 

ゴミ掃除役の白血球(マクロファージ)の中には、これと同じタンパク質を産生して炎症をストップし、傷の治りをよくするものがあります。

 

 

つまり、わざわざ寄生虫を飲み込まなくても、糖のエネルギー代謝が回っていれば、過剰な炎症を抑えるものは自分で作れるということです(^_-)-☆。

 

 

一方、寄生虫を宿すデメリットは看過できません。

 

 

 

寄生虫は自分が栄養を摂取しなければいけませんので、私たちの栄養を横取りします。

 

 

 

寄生虫感染では、貧血(血液の横取り( ;∀;))、子どもの成長障害、肺疾患などを引き起こします。

 

 

 

 

寄生虫感染は腸内細菌と同じく単なる「結果」にすぎません。

 

 

 

 

 

有用と思われる微生物や寄生虫を摂取するのではなく、自分の糖のエネルギー代謝を回すことが数々の好ましい結果を生むのです!(^^)!。