徐々に朝夕が涼しくなってきましたね(#^.^#)。
庭先に植えているブルーベリーの実も色が変わり始め、クリの木も実をたわわにならしています。
さて、2017年8月20日からワシントンで開催されていた米国化学学会総会で興味深い研究結果が報告されていました。
それは、アスリートはその種目別に特別な腸内微生物を宿しているという研究内容です。
まずマラソンランナーについて。
試合前と試合後ではある腸内微生物が特に増えていたとのこと。
この腸内微生物は乳酸を分解する能力に長けているものでした。
乳酸は毒性物質で、長時間のストレスにさらされると糖が不完全燃焼を起こして廃棄物として生産します。
この乳酸は単なる“ゴミ”ではなく、「病気の場」(リポリシス本参照)を作る主要因となっています。
したがって、毒性の強い乳酸を肝臓でデトックスします。
肝臓は多大なエネルギ―と資源を使用して乳酸を糖に変換しています(乳酸はただでさえもプーファの解毒で負担がかかっている状態の肝臓にさらに重荷を背負わせるのです(これを「乳酸が体によい物質」とどうやったら解釈できるのでしょうか?)。
マラソンという長時間のストレスによって起こった「リーキーガット」から多量にこの微生物が血液中に入りこんでいます。
マラソンの場合、腸内に乳酸を分解する微生物が増えていたというのは、イコール血液中に乳酸を分解する微生物が増えたということですね。
たしかに血液中の乳酸の濃度を抑えてくれれば、肝臓をはじめ全身の組織は助かります。
さらにウルトラマラソンランナーの腸内微生物を調べた結果も報告されました。
彼らには、炭水化物や食物繊維を分解する能力に長けている腸内微生物が増殖していたとのこと。
長時間のストレスでは糖質が不可欠です。糖質が欠けると、激しいリポリシス(脂肪分解)とタンパク質分解が起こることが生命体にダメージを与えるからですね。
炭水化物を早く分解して糖に換えてくれるのはたしかにウルトラマラソンランナーには有利です。
これをもって、研究者たちは特定のスポーツに必要なプロバイオを開発して一発当てようという目論見のようです。
このような発想は大失敗に終わるでしょう(#^.^#)。
なぜなら・・・・
腸内微生物の変化は、私たちの環境ストレスによる応答反応によって“起こる”もので、あくまでも“結果”にすぎません。
たとえば、乳酸を分解する能力に長けている微生物を投与した場合、必ず腸内微生物のバランスが崩れ、内分泌系、脳神経系に影響が出てくるはずです。
このような研究自体は興味深いものですが、それを解釈するときに決定的にお金儲け優先の「近視眼的」発想になってしまっています。
全体の「生命場」を観るということができないのですね。
原因と結果をはき違えると必ず医学(砂糖悪玉説、脂質仮説など)、いやサイエンスの悲劇(進化論、天動説など)が起こります。