またもやハーバード大学公衆衛生学から疑問だらけの論文が発表されて、大々的に喧伝されています。

 

数か月前にJAMAという雑誌で今回の論文と同じデータに基づいて赤肉・乳製品が早期死亡と相関しているという論文を発表しています。

 

これについて、先日の崎谷塾「タンパク質の真実」で詳しく取り上げました。

 

今度は油と心臓血管疾患との相関関係を同じデータで解析したものです(BMJ 2016;355:i5796)。

 

調査対象は 7,3 147人の女性4,2 635人 の男性。

 

1980年代~2010年まで4年前に「昨年に何をどれだけ食べたか?」という質問票を提出してもらったものを解析しています。

この解析では調理油についても質問票に記入してもらっています。

 

 

そして飽和脂肪酸をさらにラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸に分けて解析しています。。。(すごい執念ですね~)
 

その結果、飽和脂肪酸の摂取量が最も多いグループは最も少ないグループより1.18倍のリスクだったといいます(この数字ほとんどリスク同じという意味にとれますね)


(それぞれの飽和脂肪酸の摂取量の最高五分位群 vs.最小五分位群のハザード比は、ラウリン酸が1.07(95%信頼区間[CI]:0.99~1.15、傾向p=0.05)、ミリスチン酸が1.13(1.05~1.22、傾向p<0.001)、パルミチン酸が1.18(1.09~1.27、傾向p<0.001)、ステアリン酸が1.18(1.09~1.28、傾向p<0.001)、4種複合飽和脂肪酸で1.18(同:1.09~1.28、傾向p<0.001)。

ここからが本番です。。。

 4種の飽和脂肪酸から摂取するエネルギーの1%相当分を、多価不飽和脂肪に置き換えることで、同ハザード比は0.92(p<0.001)に、また1価不飽和脂肪酸に置き換えると0.95(p=0.08)、全粒炭水化物では0.94(p<0.001)、植物性タンパク質では0.93(p=0.001)とリスクは減少することが“統計学的”に示されたといいます。

 

これを言いたいのですね。

 

つまり「脂質仮説」です。

簡単に言えば、飽和脂肪酸が悪で不飽和脂肪酸が善というもの。

 

この仮説はサイエンスではありません(「脂質の真実」で詳しくお伝えしたしましたが、ここではたくさんの基礎的なエビデンスと実証があるということだけ述べておきましょう)。

 

したがって、このような疫学的調査という統計手段をとって相関関係しかいえない(因果関係はいえない:飽和脂肪酸→心臓疾患×)のに、さも因果関係があるような印象を与えるニュースに仕立て上げられています。

 

元々、「前年に何をどれだけ食べたか」と首尾一貫しない人間に質問すること自体が間違っています(#^.^#)。私などは昨日食べたものも下手をすると忘れてしまっています・・・・

 

そのようなあやふやのデータを元にいくら統計ソフトを駆使して自分たちにとって都合のよい結果を出しても意味がありませんよね。

 

現代のサイエンスは「宗教」であると喝破した先人がたくさんいます。

 

これは自己利益のために学会や利権団体(多国籍企業と癒着)にぶら下がっている権威主義者によって「真実はねじ曲げられる」という一般法則のことを言っているのですが、それならむしろ

 

 

現代のサイエンスは「官僚政治」あるいは「経済」といえるのかも知れません(^^♪。

 

本当のサイエンスは一流大学などではなく、自然観察を素直に行っている人々、あるいは人工教育を受けていない人々のところで生まれるのは間違いないでしょう。

 

こういった旧態依然とした論文を見るたびにその想いが強くなります。