そこには、ここまでとは明らかに異なった文化圏が存在する。
鹿児島本島からトカラ列島を徐々に南下してきたが、
ここまで来るともう世界が違うように思える。
琉球文化圏への突入だ。
ここは過去、琉球王国の支配下にあった時代もあり、
地名や方言も耳慣れないものが多い。
奄美大島。
奄美群島の入口であるこの島には、
異色の文化が根付いている。
名瀬港についた僕らは、まず街の大きさに圧倒してしまった。
今まで人口100人に満たない島々を渡り歩いてきたが、
ここへ来て奄美市名瀬地域の人口はおよそ4万人。
400倍の人の群れが街を行き来している。
目がくらむほどの灯り。
目がくらむほどの情報量。
離島とは言え、内地にも劣らない都会が広がっている。
久しぶりに都会の喧騒を満喫した。
バロウズと呼ばれるカフェに入った。
カフェなんていう単語自体が久しぶりだ。
奄美大島は、大島というだけあってかなり大きい。
大きいだけあって、地域によって雰囲気もまちまちだ。
名瀬港から西へ西へと向かうと、そこには大和村(ヤマトソン)という村がある。
名瀬からの峠道をぐんぐん進んだその先にあるこの村。
ここまでくればもう喧騒からは離れ、時間の流れも急にゆるやかになる。
宇検村(ウケンソン)はその更に先の入り江に出来た湾に面する穏やかな村だ。
内湾の水面のように穏やかで、静かで。
とてものどかな気持ちになった。
海は波一つ無く、まるで湖のようだった。
静かな入江にゆるやかなカーブを描くように集落が広がっている。
さんさんと輝く太陽と蝉の声。
小さい頃の思い出のような、懐かしい風景。
そこから峠を越えて反対側の海に面するのは住用町。
広大なマングローブの森と、緩やかで曲がりくねった茶色の河を見ていると、
本当に異国の地に来たように思える。
同じ日本国内でもこんなにも違うものなのだ。
この旅に出てからつくづくそう思う。
日本国内といっても、今回の旅は鹿児島県内だけでの話だ。
こうやって徐々に南下して行くと、文化の違いを少しなりとも理解出来る。
飛行機でひとっ飛びしたのでは分からない愉しみだ。
今回龍郷町、笠利地区には足を運べなかったが、
それは次回また奄美大島を訪れた時の為に愉しみを取っておこう。
これはどの島にでも、どの国にでも地域にも街にも言えることだが、
一週間程度滞在したくらいでは本当の良さは分からない。
屋久島に来てから早二年が経とうとしているが、
それでもまだまだ奥の深さを感じる。
そこで生活を続け、子が出来て孫が出来て、
そうこうしているうちに何十年か経って、年老いて、
それでも良かったと思える気持ちこそが、
本当の良さなのかもしれない。
そんなことは青二才の僕には到底分かりえない。
住用町から幾つもの峠を越え、古仁屋港へと向かう。
次なる目的地、加計呂麻島は目の前に見えている。
カフェ(名瀬市街地)
小浜キャンプ場より(名瀬)
宇検村の海
宇検村久志
奄美大島の山々
アランガチの滝
加計呂麻島を望む