最近、二人の知り合いが、陰謀論者への敷居をまたいだのではないか?という事例をご報告します。
一人目は、なんとSとの件について話を聞いてもらった男友達でした。
ある日、彼から「来週、ファイザー製のワクチンを打つ予約をした」というメールが来まして、それに続くコメントがふるってました。
しかし、あのレプリコン・ワクチンってなんですか??シェディング起こすって怖すぎるし、なんで日本だけこんなの認可したんだ!(怒)
私からさんざん陰謀論者現象について説明を聞いていたにも関わらず、まんまと陰謀論者たちのデマに引っかかってしまいました。(以前、私からシェディングについても、詳しく話していたのですが、聞き流していたようです)
彼は、元々「安倍”ガー”」化していたので陰謀論者に片足を突っ込んでいたわけで、ちょっとしたキッカケで別の陰謀論要素に染まる資質は持ち合わせていたわけです。
彼なら、まだ戻れるハズだと思ったので「新しいワクチンなので不安なのはわかるけど、ことシェディングについては完全なデマなので心配しなくていい」とやんわりと指摘しました。そしてこのブログで述べたような話を伝えました。
陰謀論者は、今回のレプリコンワクチンだけがシェディングを起こして危険だというようなデマを広めましたが、当初の「ファイザー」や「モデルナ」ワクチンの時からシェディングが発生している!と大騒ぎしていたことはすでに書きました。
彼らは、外国製のワクチンしかない時は、ビル・ゲイツの殺人計画で外国製品は危険だと大騒ぎしていて、今回、ようやく国産ができて喜ぶかと思いきや、今度は外国で認められていないから危険だと言っています。
あれほど外国嫌いだったのに今度は頼るとは支離滅裂な知能です。
私もふくめ人は日常的になにかの事象については好き勝手に軽愚痴程度の陰謀論を”ぶって”います。
例えば、米が出回らないとなったら、どこかで誰かが買い占めているだとか、政権が自身のヘマをごまかすために、タレントのスキャンダルを出してきたに違いない、とか。
このような確たる根拠のない憶測は、それを聞いた相手も受け流しますし、話している当人も確たる信念があるわけではなく、言ったそばから忘れてしまいます。
理論的裏づけのない、感情的で無責任ないわば床屋政談の一環です。
これがひとたび床屋や職場、茶の間ではなくて、SNSでネットに流れると中には真に受けて他にリツイートしたりと本気になる人間が増えて無責任な正義に流されて「質量転化」が起こります。
単なる憶測やデマを事実として伝え、それを他者に否定されると感情的になって反論しているうちに「極化(ガー化)」が進み、ここに新人陰謀論者が誕生します。
一人目は、割と簡単に陰謀論者化を防げましたが、二人目の新入り陰謀論者は、知り合いのフリーのミュージシャンです。
彼は、地方在住でライブをしたり音楽教室で楽器を教えています。
コロナやワクチン、感染対策には神経質ぐらいの対応で、すでに6回ワクチンを打っていたそうです。
ところが、最近、久しぶりにこの人のブログを開いてみますと24年夏の都知事選の頃、次のように書いていました。(太字は私)
メディアは、まったく都知事選について報道しない。当日に選挙日である事すら報道しないという「投票者を減らそうとする」政権寄り過ぎるニュース番組やメディアの姿勢は、やはり異常なレベルとしか言いようがない。かなりの圧力が加わっているのだろう。
おいおい、朝から晩までうんざりするくらい選挙の話してたぞ。
と、呆れましたが、さらに続きを読みますと「(自分たちは)テレビも新聞も見ないのでネットの報道などで見守るしかない」と言っていました。
テレビを見ていないのにテレビが選挙報道をしているか、していないかなんて知る筈ないですよね。
元々オールドメディアに対する不信感が募っているので、きっとツイッター(X)などで「メディアはまったく報道しない」という煽りデマを信じたか、あるいは自分が「怒りたい」方向に決めつけてしまったのでしょう。
このようにネット情報だけに耽溺していると”また聞き”で自分が常々”怒りたい”対象に勝手に腹を立ててしまい、ある種の”被害妄想”が発現してしまうのだと思います。
陰謀論者に限らずネット民に共通している怒りの対象のひとつが「メディア」です。(”マスゴミ”と言われることが多く、こうした古臭いネットスラングを使うことから彼らが高齢者だということが知れます)
中でもテレビの世界はチャラチャラしていて、派手な生活をしているエスタブリッシュメントというイメージで、彼らの妬み(ルサンチマン)が向かう相手の代表的存在です。
このようなネット民のメディアや政権に対する怨念の様子を見ますと昭和初期、財閥などのエスタブリッシュメントに殺意をいだいていた蓑田胸喜 *1 に代表される極右や赤軍など極左のメンタリティとそっくりです。
憂鬱ですが、2025年の参院選で参政党が躍進したり、こうしたネット民言論に媚を売るような発言をする高市早苗氏 *2 をはじめとする政治家の言動を見るに今後の世の中の動きも当時と同じプロセスを踏んでいくのかもしれません。
何遍同じことを繰り返しても人間は懲りないのでしょうか。
*1:蓑田胸喜(みのだむねき)は、戦前の日本で自由主義的知識人を執拗に攻撃した国粋主義者であり、立花隆は『天皇と東大』の中で「狂信右翼」「言論弾圧の怪物」と評している人物です。
東京帝大出身で雑誌『原理日本』を拠点に活動し、滝川事件や天皇機関説事件などの言論弾圧に深く関与。政府や軍部を巻き込んで教授の辞職を迫るなど、異常な影響力を持ち、昭和前期の思想界に恐怖と混乱をもたらしました。
*2:ちょうどこの記事を公開してすぐ高市早苗氏の自民党総裁が決まりました。US、ヨーロッパなど軒並み右傾化する「流行」に乗せられ日本もいよいよ極右政権の仲間入りをしそうな気配で、心配で仕方ありません。