約束を交わされた健ちゃんは、珍しくもその約束を忠実に守るが如く早起きをした






健ちゃんの判断は概ね正しかった







しかし、彼が早起きをすると何か惨事が起こるというジンクスもまた正しかった






誤算があったとすれば






その惨事が彼にではなく







約束を交わした側に起きたという事






健ちゃんが目覚めて珍しく用意を始めていた頃






野間は起きた






彼もまた、まさか自分の風邪が治らないとまでは思ってもいなかった






彼の判断からすれば十中八九、目が覚める頃には風邪は治っていた







だが前日の咳から、想定の範疇内であった為の次に行う行動の選択に迷いはなかった






誤算があったとすれば






母の存在






ひどく咳をする息子に向けて、その母親がかけた言葉は






「あんた、ニュージーランド行くまでに治さんかったら本間に知らんからな。」






息子は、自分の現在おかれている状況を突きつけられたと同時に事態の深刻さを痛感した






しかし、その母の言葉は冷酷な刃であるとともに






息子に対する最大の危惧でもあった






そこで母と息子の利害が一致し、彼は出かけること諦めた







彼が出かけなかった事が良かったのか悪かったのか今となっては分からない






今明確な事は






彼が先日行った水見式によって水がやや揺れたように見えた事から






彼は強化系または特質系






あるいは痛い奴か






という事である



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