「荷物なんか捨てたらいいんだよ」
この言葉がいまだに私の耳から離れない。
いや、言葉だけが独り歩きして心の隅を彷徨っているのだろうか。。。
20歳半ばで初めて北海道をツーリングした時のこと、
見知らぬ小さな町の小さな無人駅の待合室にその旅人はいた。
見た目もいかにも身軽そうな彼は一日数本しか列車の来ない駅で次の列車を待っていた。
聞けば少し離れた町で祭りがあるのでそれを見に行くのだと言う。
その話を聞いただけでも私には軽いカルチャーショックだったのだが・・・
彼は、列車を待ってもなかなか来ないので「バイクに乗せてくれ」と言い出した。
初めて接した人種に少々警戒心もあった私は、やんわりと断るために、
荷物を積んでいるからダメだと言ったら、
彼は件のセリフに及んだわけである。
そのとき私がどういう反応をしたのか良く覚えていないが、
彼を見たらTシャツ、短パン、荷物といってもほんの少しだけ。
ただ自分がバイクに乗せて欲しかったから荷物なんか捨てたらいいと言ったのか、
それとももっと深遠な意味のあるセリフだったのか今となっては確認のしようもないが、
そろそろ 「荷物なんか捨てたらいいんだよ・・・」 と
自分で自分に語りかけているような気がする今日この頃である。