今日はメンバー全員での宴会なのだが、珍しいことに私含めほとんどの成人メンバーがお酒を飲んでいた。

いつもは天ちゃんとか唯衣ちゃん、綺良ちゃんなどの未成年メンバーがいるから、
" お酒は飲まない " という暗黙の了解があった。

しかしあろうことか土生ちゃんがうっかり「お酒飲みたいな〜」とぼやいてしまったのだ。

それを聞きつけた未成年組が、
「私たちのことは全然気にしないでいいですよ!むしろ皆さんがお酒飲んでるとこ見てみたいです。」
とあまりにもお酒を勧めるものだからつい手を出してしまった、というわけだ。

私も正直なところお酒を飲みたかったが、万が一に備えて少し控えめにしていた。

今となってはその判断を褒めるべきか悔やむべきか……


小「やー、みんなベロンベロンだね。」


菅「ほんとにね…。ゆいぽんは大丈夫なの?」


小「まあ、こうやってまともに話せるくらいには。」


菅「もうほんとにゆいぽんが居てくれて助かったよ……」


ゆいぽんもコップ1〜2杯ほどのお酒を嗜んでいたが、ほんのり顔が赤いだけでそこまで酔っ払っているわけでは無さそうだ。

ほとんどのメンバーがどんちゃん騒ぎしている中では、ゆいぽんの存在は本当に助かる。


小「そりゃどうも。……てか、向こうの方結構やばそうじゃない?」


菅「あー、尾関とかがいる方?」


小「なんかね、ぺーちゃんとか莉菜とか…あとは理佐も尾関に無理やり飲まされたらしいよ。」


菅「そうなの?お気の毒に……」


今ゆいぽんが挙げた名前………ぺー、莉菜ちゃん、理佐からは『あんまりお酒が得意ではない』と聞いたことがある。

その3人が酔っ払ってしまったら、一体どうなるのだろうか。


菅「え、向こうどうなってるの?」


小「そりゃもう……こっちが天国みたいに感じるよ……」


菅「そっか、最初向こう居たんだっけ?」


小「もうやばいから逃げてきた笑」


菅「……そんな酷いの?笑」


小「ほんとにやばい。」


菅「どんな感じになっちゃってるの?」


小「えーと…簡単にまとめると、ぺーが笑い上戸で、莉菜が泣き上戸で、理佐がキス魔。」


菅「………聞くからにやばそうだね…」


小「多分今はふーちゃんが相手してるけど、今ごろヘトヘトだろうね。」


菅「あ、ふーちゃん置いてきたんだ?笑」


小「さりげなくね笑」


菅「ひど笑」


小「まあ可哀想だし、そろそろ戻ろうかなって思ってるけど……」


冬「ちょっと!!ゆいぽん助けて!!」


ゆいぽんの言葉をふーちゃんの叫び声が遮った。見れば、ゆいぽんをとんでもない形相で睨みつけながら、ふーちゃんが必死に走ってきていた。


小「あ、やべ。」


冬「あんた逃げたでしょ!!もう私じゃ手に負えないんだけど!?」


小「そんな酷くなってるの?」


冬「もう莉菜がすぐ泣くし、ぺーがうるさいし、目離したら理佐が誰かにチューしてるし!死ぬわ!!」


菅「うわぁ、やばそう。」


冬「あ、友香も無事?じゃあ来て!!」


とにかく慌てまくりのふーちゃんに手を引かれ、無理やり地獄に連れていかれる。

ゆいぽんと話していた時はそんなにうるさくなかったのに、問題の区域に近づくにつれて耳を抑えたくなるほどのはしゃぎ声が聞こえてきた。


上「あ〜〜!!ふーぢゃん!!」


冬「あ、ごめんね、大丈夫?よしよし…」


上「ゔう〜……」


早々に莉菜ちゃんがふーちゃんに飛びついてきて、まるでお母さんが赤ちゃんをなだめているような光景に唖然とする。

……これは、思ってるよりやばいかも。

 " やばいね " という意味を込めた視線をゆいぽんに向ければ、向こうも同じような反応を返してくる。


次に目に入ったのは、奥の方で一際笑い声を上げている人。

え、もしかして……


尾「……そんでさぁ〜、『頑張りましゅ!』だってさ!あはははっ!」


梨「あははははっ!!」


尾「その前も、『ありがとうごじゃいましゅ!』って!笑」


梨「ゆっかーやばい!あははははっ!!」


あ、私の噛みグセで盛り上がってたんだ…

なんか複雑………にしてもぺー、大はしゃぎだなぁ。あんな大声で豪快に笑ってるの初めて見たかも。


?「んんっ!た、たふけてー!!」


ん?
なんか『助けて』って聞こえたような……

辺りをぐるぐる見回していると、誰か派分からないけど足をバタバタさせている人が。
その上には……え、あれ理佐じゃない?


え!待って!キスしてるじゃん!!


菅「ちょっ!り、理佐!こら!離れなさい!!」


ひかるちゃんにべったり覆いかぶさっている理佐を慌てて引き剥がす。


理「んぁ?あー、ゆうかだぁ!」


菅「り、理佐?」


こりゃ出来上がってるな……


森「菅井さんありがとうございます……」


菅「ひかるちゃん大丈夫?」


私に抱きついてくる理佐をなだめながら、ほんのり顔を赤らめているひかるちゃんを心配する。

結構な勢いでされてたからな……


森「や、あの、ちょっと……刺激的ではありましたけど……///」


菅「……ほんとごめんね…」


森「いえ、私はいいんですけど……結構被害者がいて……笑」


菅「うそ笑」


森「私の前はまりながされてたし、あと夏鈴ちゃんにも。さすがに天は拒否してましたけど。」


菅「ほんとに天ちゃんがしっかり者でよかたよ……」


理「ゆうかっ!」


菅「ぎゃっ!!」


森「す、菅井さん!?」


理「んふふ、友香〜♡」


いきなり押し倒されて少し焦ったが、理佐はただ胸元に顔をうずめて甘えた声を出すだけだった。


菅「ご、ごめんねひかるちゃん……もう戻ってていいよ…」


森「あ、そうですか?じゃ……」


理「んー、友香好きー。」


菅「んっ!?ちょ………ふ、」


油断していたからか、いとも簡単に理佐の舌が口の中に潜り込んできた。

え、結構やば……


菅「ん……ふ、ひ、ひかるちゃ……」


森「す、菅井さん!?」


私の異変に気づいてくれたひかるちゃんが慌てて理佐を引き剥がそうとする。

しかしひかるちゃんと理佐は15cmほどの身長差がある。
さすがに自分より大きい相手を引き剥がすのは難しいようで、なかなか苦戦しているようだ。

その間も私はずっとキスされてるまま。


菅「………んぁ、ぅ」


やば………ほんとにやばいかも…


森「ちょ、保乃ちゃーん!!来てー!!」


これは無理だと判断したのか、ひかるちゃんが声を張り上げた。


田「んあー?なにー?」


森「いいから早く!」


ふらふらしながら現れた保乃ちゃんはどう見ても酔っ払っていて少し不安になるが、この状況から助け出してくれるならもうなんでもいい。


森「理佐さんが菅井さんにチューしてるの!」


田「えっ?」


森「早く剥がしてあげないと!」


田「理佐さんを引っ張ったらええん?」


森「うん。……せーのっ!」


理「ひゃっ!」


さすが体育会系女子と言うべきか、保乃ちゃんが引っ張ったらあっさりと理佐が離れていった。


菅「うう、あ、ありがとう……」


森「無事でよかったです……」


菅「無事ではないけどね……笑」


田「へぁっ?」


情けない声の持ち主を見れば、またもや理佐に抱きつかれているところだった。


菅「あー………ひかるちゃん、もうひと頑張りだよ……」 


森「はい………」


ひかるちゃんも確かお酒を飲んでいたはずだけど、ドタバタ続きですっかり酔いが覚めたようだった。

後ろからは号泣する莉菜ちゃんを慰めるふーちゃんの声。

右からは大爆笑するぺーと尾関に絡まれているゆいぽんのうんざりした声。

左からは理佐にキスをされてじたばたしている保乃ちゃんの助けを求める声。


……もっとちゃんとお酒に関してはルール
作らないとな……




――――――――――

おしまい。