ねくすぽすとミュージカル企画vol.2
『TEDDY』

無事終演いたしました!
多くのお客様にご覧いただけて、座組一同心より感謝申し上げます。

今回の作品は、不思議の国のアリスのような、くるみ割り人形のような、ピーターパンのような、ファンタジーな物語です。

明日、18歳の誕生日を迎える少女エマが、タンスの向こうの不思議の国へ導かれ織り成す小さな大冒険。
行く先々で出会う、どこかおかしく愉快な住人たちは、どこかで見たことがあるような、ないような……。

無事終演もしたし、少しネタバラシというか、小ネタというか、こんな気持ちで書きました、演出しました、というのを綴って行きたいと思います!

まず、今回拘ったのは衣装の色!
「不思議の国」と謳うのであれば、ビジュアル面に力を入れねばと意気込みました。

まず冒頭。
エマの日常を紹介するシーンです。
この時、みんなの衣装はモノトーンベースになっております。
つまらない日常に飽き飽きしたエマの心を表すように。


そして真っ白のネグリジェに着替え、テディに話しかけながら眠りにつくエマは、タンスの向こうの不思議の国へと誘われます。

赤い服を着たほら吹きマンソンジュ。
黄色とオレンジを見に纏う星の工場の人々。
どでかい緑のドレスが目を引くラルム。
青、紫、ピンクのマスカレードサーカス。

そして、黒い服を着た少女との出会い。

何色にも染まってしまう白い服の少女が、多くの人々と出会い、会話をし、経験をし、そうして自分だけの色を見つけられるように願いを込めました。
その色に導いてくれるのはきっと、変わらない色を持った誰かなのかなと。

そして、不思議の国から帰ってきたエマの日常。大人になるからといって、劇的な変化を遂げるなんてことはありません。
ただ、自分の見る目が変われば、見える世界も変わるんじゃないかな。
そう思って、同じ歌を、華やかに色のついた服を着て歌ってもらいました。

このプランを実現するために、キャストの皆様には鬼のような早替えをしてもらうことに……。
早替えの時間が1分も無いなんて当たり前。キャストさん曰く「裏は戦場だった…」と。すみません、ありがとうございます………!

ちなみに、アンサンブルとして出ていた不思議の国の住人たちの丸メガネ。
あれはミラー式になっております。なぜミラー式かは、またあとで……。

『TEDDY』語りはまだまだ続くよ!
次は、エマを惑わす(?)各キャラクターたちについて。


●マンソンジュ
「嘘」という意味を持つこの名前。
現実世界ではニュースキャスターを演じています。
「嘘」というのは、適切な量であれば、人生を潤すものだと思います。なぜなら、すべてのおとぎ話は「嘘」で出来ているから。
数多溢れる情報の中から、自分にとって有益な、正しい情報を得られれば、彼のような悲しい人が少しは減るのでは無いかなと。「嘘」を望むのは、ほら吹き達ではなく、大衆。それはきっと、「嘘」の方が「本当」のことよりも面白いからです。
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●アヴニール/エスポワール
それぞれ未来と希望という名を持つ2人。
現実世界ではちょっとお茶目でいたずらっ子なエマの友人達です。
子どもの見る夢を大きく壮大。迷いがなく純粋で、それ故の危なっかしさもある。
衣装についているたくさんのポケットの中には、たくさんのキラキラがはいっています。未来への憧れと希望を持った2人組みです。

●ボン・サンス
アヴニールとエスポワールを語る上で欠かせないのは「常識」の名を持つ工場長。
常識に囚われ、型通りに生きるしかできない大人の代表。子どもたちの純粋さを常識で抑えつけてしまいます。
しかし、彼らが生き生きと伸び伸びと過ごせるのは、常識によって守られているから。彼女はいつでも正しい道を知っています。それを強制と取るか提案と取るかは、自分次第です。
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●ラルム
意味は「涙」。現実世界では本が好きなエマの良き理解者。
ヒステリックに叫ぶ反面、涙を流して悲しむ人を、その大きなスカートで優しく囲い込みます。
彼女のように癒してくれる誰かがいるから、小瓶という名の心を壊すことなく生きていくことができるのでしょう。
でも、優しさに甘え過ぎてしまうと、檻に囲われ出てこられなくなってしまうかもしれません。
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●オルール/レストリクシオン/ジャルジー
それぞれ「恐怖」「束縛」「嫉妬」の意味を持つ、仮面の集団。現実世界ではエマの家族達です。
誰もが仮面をつけて生きています。それは、自分と一番近しい存在である家族もまた一緒。父でないと、母でないと、むすめでないと、それらしく演じないと、と囚われ生きています。
きっと誰しも一度が「これは本当の自分じゃない!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
仮面をつけている自分は自分? それとも自分じゃない誰か?
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●黒い服の少女
エマを不思議の国へ導いた張本人。彼女の正体は、物語の中で明確に提示されてはいません。誰の心の中にも、彼女のような存在がいると思ったから、自分の心に住んでいるその人と照らし合わせて欲しかったのです。少女のことを「テディ」だと思う人もいるし「もう1人のエマ」だと思う人もいるし「インナーチャイルド」だと思う人もいるし、はたまた「鏡に映ったエマ」だと思う人もいるし……。その全てが正解です。だからぜひ、自分で思った答えを大切にしていただければと思います。
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●ギッドゥ
最後はこの方、影の主役とも言われていました。意味は「案内人」。その名の通り、不思議の国へ迷い込んだエマを案内しています。
長いことずっとひとりぼっちでいたギッドゥは、いつの間にか2人で1人になってしまいました。
ちなみに、不思議の国の住人達は「ここじゃない別のところ」の存在を知りません。知っていたとしても「聞いたことがある」程度。しかしギッドゥ「あっちじゃなくてこっちにいれば良い」と言い切っています。つまり彼は…………
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そんなこんなで長々と書かせていただきましたが、皆様が『TEDDY』を見て少しでも「何か」を感じていただければ、脚本家冥利に尽きます。
キャスト・スタッフの皆様をはじめ、ご来場いただいた皆様、応援して気にかけてくださった皆様、わたしのことを知ってる皆様、全ての方に感謝申し上げます。
本当に本当にありがとうございました!!!

今後とも、ねくすぽすとをどうぞよろしくお願いいたします。

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次回作『COME!』は2017年上旬を予定しております。実はこの作品、わたしが人生で初めて書いた脚本で、5年前に一度上演したものの再演です。
とても思い入れのある作品。
ぜひ観に来てください!

それでは

2016年9月6日
ねくすぽすと代表
たかはしともこ