母のお供に、今日もなつみの袋掛け
「ボツボツせえよ」(ゆっくりしなさい)
そう言いながら、休む事無く頑張る母
「休みながらせんと、もう手伝わんよ」
キツイ言葉でやっと
「ほうか、休もうか」
段段畑に太陽は射すけれど
「寒いけん、かじゅみかじゅみせんといけん」
休んでもすぐに仕事を始めます。
「ホント!働き者やなぁ」
「はよ、袋かけんと!鳥が座かいて来たらひとたまりもないけん」
「ハイ、ハイ」
帰りの農道で、弟夫婦のトラックとすれ違う。
止まると助手席から降りた、お嫁さん
「お義母さん、車に乗りなさいや」
「え、え、わい。家は目の前やけん」
「少しでも車に乗ったら楽だから、乗ったらいいわい」
「お母さん、こんな嫁さん、どこ探してもおらんよ」
「おらん思う。怒った顔、見た事もないもん」
「そうじゃろ、嫁さん拝んどきなはい!」
「拝みはせんけど、感謝しとる」