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「そんな悪い事して、お母さんの足が痛くなったらしいどうするのよ!」

けんとは涙を流しながらも止めようとはしない。

「お友達と仲良く遊べんのやったら、お家に帰んなさい!引こずってもお母さんは連れて帰るよ!」


きほちゃんの母親もやって来て

「あれだけ、保育所の物を独り占めしたらいけんよ。みんなの物やけんみんなで使うんで・・と言っとるやろ」

まくし立てるように言ったので二人とも泣く事も叩く事も止まりました。


きほの母親は「わかたの?ハイは?」

そんな声を無視して他の遊具で遊び始めたきほちゃんでした。


「子どもは、遊びに夢中になると年上とか年下とか関係なくなる時もあるのよ。けんとくんに、

いつも聞き分けの良いおにいちゃんを求めるのはかわいそうよ。いつもは、やさしいお兄ちゃんよ」


「お母さんも、こうしていろいろな人に教えてもらいながら、お母さんになっていくのだから、悪かった

かもしれん・・・」

「子どものケンカに大人は入るな!言うもんなぁー」

きほとけんとの母親はそうつぶやきながら帰って行きました。


けんとくんはふてくされたまま園舎の後ろに走って行ったのです。