俳優の健さんより素顔の健さんの方が何十倍も何百ばいも素顔しかった。 | 木ノ葉のこオフィシャルブログ「木ノ葉のこの体にいいこと」Powered by Ameba

俳優の健さんより素顔の健さんの方が何十倍も何百ばいも素顔しかった。




私は皆さんに知って欲しい!





健さんは
皆さん御存知の通り
俳優として、
俳優の大先輩として
素晴らしく素敵な
俳優さんでした。







でも

健さんは

俳優として評価されている
何十倍、
何百倍も


人としての姿

生きる姿が
素晴らしい方でした!






私は
自分の人生の
まだ出発したての時期に
そんな素晴らしい
生きる姿を
間近で拝見出来た事に

本当に神に

感謝の気持ちです。






いきなり成り行きで
芸能界のバラエティーの
一線に入り

芸能の仕事と大学生を
掛け持ちしていた
私は





偉い人は怖い!

ヨイショをしなければ、
権力で上から潰される様な
怖いイメージしか
持っていませんでした。





トントン拍子で芸能界の
お仕事の幅が広がり
数年後

映画
「幸せの黄色いハンカチ」の次の作品、
「遥かなる山の呼び声」が決まり


北海道の中標津のロケ地に

健さんや
倍賞千恵子さんより
一ヶ月遅く
武田鉄矢さんと
共に現地入りした私。



見ると
家族で営む小さな牧場の
真ん中にあるベンチに
健さんが座っていらした。

急いで御挨拶をする為
近くに行くと

あちらから
勢い良くスッと
立ち上がり

帽子を取られて
「高倉です!」
と深々と頭をさげ
しばらく静止状態が続き
お辞儀をされました。




その頃すでに
のこは
バラエティーやCMで
世の中的には
知られてはいた物の、

健さんから見たら
若手のペーペー
お子ちゃまも
良い処!




私のイメージから行くと
偉い方は
こちらから挨拶をしても
座ったままで、
挨拶すら返してくれなくても
当たり前の存在でした。





同期でさえそんな人が
いる職場だった
時代に
もうすでに
頂点にいらした健さんが

自分から帽子を取り
しかも
深々と
数秒
静止してまま
頭を下げられた。





私はビックリして
本当に手を地面につけ、

「ははぁ~!」っと
大岡越前の
最後のシーンの様に
土下座しそうになり、
出来る限り
深い御辞儀をしました。





本当に偉い人、
立派な方は、
決して威張らない事を
その時
初めてしりました。



立派な方は
こうあるべきなのだと
本当に立派な方の
あるべき姿を
健さんに
魅せて頂きました。






その現場は
健さんだけでなく
監督の山田洋次さんも
渥美清さん
倍賞千恵子さんはじめ
スタッフ全員が
健さんと同じ価値観の
人を思いやる空気が一杯の

他の現場で
味わった事がない
驚きの現場でした。










ロケ中は出演者もスタッフも
同じ旅館で
朝も夜も皆んな一緒に
大広間で1人御膳で輪になり
頂いていました。




朝食時間に
健さんだけ姿がなく
付き人の方に尋ねると

もうすでに朝食を終え
外で乗馬の練習をしているとの事。





夕食時も
健さんだけ
姿がなく
又付き人さんに伺うと

すでに食べ終え

部屋で
おそらく
身体を鍛えている
だろうとの事。


時々
健さんが沸かす
コーヒーの良い香りだけが
何処からとも無く
漂って来ました。








健さんはその頃40代後半!
その後ろ姿は
20歳の若者にも負けない
彫刻の様な
素晴らしく研ぎ澄まされた姿ど
努力の賜物でした。

努力で
こんな身体になれるのだと
知りました。


 

 
あの頃には珍しく
現場には常に
皆んなの為に
入れ立てのコーヒーと
お菓子が用意されていました。







渥美清さんも
倍賞千恵子さんも

大先輩全員が

同じ価値観の

素晴らしい現場でした。



その雰囲気がスタッフにも
現場全部に広がり
それはそれは
素晴らしい現場でもありました。


温かさとは全く無縁の
シビアで厳しい
その頃の
TVのバラエティー界と
全く正反対の世界。

同じ芸能界でも
随分
違う事を知りました。










車内のシーンの待ち時間で
お話をしたら
意外におしゃべりな
健さんに
びっくりした事がありました。








撮影が終わり
松竹の映画館での御挨拶の時

舞台のそでで 
出演者全員
出番待ちで
座って待っていたら
健さんだけが
立っていらっしゃる事に
気付き
慌てて健さんに近寄り、

「どうぞ此処に座って下さい!」と
お声を掛けたら

「大丈夫です!」と断られ
何度かやり取りする中で
健さんから

「お客さんの前に立つのに
皺が入ったズホンで
出る訳には行かないのです。」
と聞いた時、

そこまで、気を遣っているかと
本当に
びっくりしました。





健さんにとって
俳優としてあるべき姿を
何処までも追求するのか。。


それなのに謙虚で
人を気遣う温かい心。。









40年近く
仕事を続けて来ても



あんなに
姿だけで
生きる姿勢

人となりを
教えて頂いた方は
いなかったと思います。












生きる上でどうあるべきか

何を大切に生きるべきか。





嫌な目に会う度、

道に迷いそうになる度

健さんの姿を思い出し

余計な事を考えず

真っ直ぐに

歩いて来れました。








俳優の健さん以上に



健さんは


素顔が

素晴らしく


素敵な方でした。










健さん!

出会えて感謝です。



ありがとうございます。






安らかに、




御眠り下さい。



                                    
                                            のこ







どんなに頂点に立っていても
決して威張る事が無く
謙虚で人に優しく
自分に厳しく