Aちゃんは必死で携帯のボタンを何度も押しながら、そのまま話し始めました。


ご主人が窃盗事件を起こして、そのまま行方不明となっていること。

窃盗した先はAちゃんの自宅近くに住むAちゃんの親族宅。


私に連絡してきた前日、Aちゃんの親族からAちゃんに電話があったそうです。

おそらく泥棒に入られたらしいと。

そして、金品の入っている引き出しの一番近くの窓が壊されており、それ以外は全く手付かずで荒らされていないと。


実は、その引き出しに金品が入っていると知っているのは本当に限られた人間だけだったそうで、Aちゃんは即座にご主人を疑ったそうです。

Aちゃんは仕事中のご主人に電話をかけ、何か知っていないか聞きました。

「何も知らないよ」というご主人に「じゃあ警察を呼ぶね」と返して、それがこの日の最後の会話になったそう。


警察に現場を見てもらってご主人に電話をかけても、その日はずっと電話は繋がらなかったのだとか。会社も早退していたそうです。