友人Aちゃんのお話。

ギャンブル依存症のことを私が知るきっかけになった事件についてです。

一部、特定を避けるためにフェイクありです。


Aちゃんは私の学生時代の同級生。

比較的早くに結婚しました。

ご主人は、おとなしめの方でしたが、優しく気遣いのできる方でした。

技術系の資格を持って働いていましたが、人間関係が合わなかったとかで営業職に転職されました。


仕事が合わないとかでご主人がストレスを溜めているらしい……という話はAちゃんから聞いていました。


ある年、私が社会人になって何年目かのことでした。Aちゃんから電話がかかってきました。

当時はショートメールがよく使われていましたから、電話は急ぎの用や大事な用事の時。


Aちゃんは「すごく大事な話があるから来てほしい」と深刻な声で言いました。

咄嗟にただならぬ雰囲気を感じた私は、すぐに行くと即答しました。


到着すると、他にも仲良しでいつも遊んでいた友人も集まっていました。

いつも弾けるように明るく、仲間を笑わせるのが得意だったAちゃんがすっかりやつれて、テーブルの上に乗せた両手で携帯を握り、何度もボタンを押していました。