一月の終り頃

 

近所の歩道の脇に生えている木に

 

寒空の中、その枝から

もこもことした

いくつもの、マフラーの様な

尻尾のようなものが、たらりと垂れて

フラフラと揺れていることに気づいたのは

 

去年の冬でした。

 

 

 

どうして、いきなり花?

葉っぱはどうしたの?

出てくる順番、変じゃない?

 

疑問がいっぱい

浮かんだのでした。

 

帰って、調べてみると

 

ヘーゼルナッツの雄花でした。

雄花と雌花が同じ株から

別々に咲くということでした。

イギリスでは雄花、雄花序(ゆうかじょ)の部分を

Catkinsと呼びます。

その中に、開花時には

240個ほどの雄花が咲くのだそうです。

 

 

受粉は風にのって

なるべく近くの

別のヘーゼルナッツの木に

辿り着きたいらしいのです。

 

なぜなら、目と鼻の先に

咲く雌花は

雄花が花粉を飛ばしている時に

咲くとはかぎらないからだそう。

 

赤い小さなフサフサが見えますか?

これが雌花です。

 

 

葉が生える前に、どうして花が咲くのか

私の疑問に、感動の答えがありました。

 

それは

 

葉があったら、受粉の作業の

邪魔になるからだそうです。

 

なんともシンプルな答え!

 

葉が出ていない、光合成が出来ないはず

でも、エネルギーはきっと

この時の為に蓄えているに違いないと思うと

植物の神秘に出会えた幸福感と

尊敬の気持ちが溢れだしました。

 

ヘーゼルナッツに学ぶ

今、一番大切な事にフォーカスする姿

 

結果は後からついてくる。

 

このワクワクと

もっと知りたい好奇心と

どうしてなんだだろうという

疑問を持つことを大切に

私らしくありたいと思った瞬間でした。

 

以来、ヘーゼルナッツの大ファンです。

 

受粉の仕組みがユニークだけではなく

ヘーゼルナッツには

沢山の魅力があります。

 

冬の花が少ない時期

ミツバチ達の餌になり

 

何本も増え続ける枝は

木工細工や釣り竿にもなるそうです。

オイルは化粧品に使われたり

そして、言うまでもなく

私たちも

美味しいナッツを食べることが出来ます。

 

 

 

冬のこの時期

ヘーゼルナッツの木に出会った時は

ちょっと、見上げて見ませんか。

?が浮かんでくるかもしれません。