TwoSeries vol.6
Maison book girl×カフカ
2月23日(火)19時開演~ 新宿motion
Maison book girl、2度目のライブ。
前回は、コショージメグミがインフルエンザでダウンしたため、3人でのパフォーマンスだった。
今夜のライブから、コショージが復帰するらしい。
4人揃ったブクガ、前回と印象がはたして変化するかどうか。
対バン相手の 「カフカ」、
それが終了するとオーディエンスも前後の位置が若干入れ替わる。
それに伴う流れに任せていると、ステージ最下手、前から5列目あたりとなってしまった。
ステージが近い、眼の前だ。
しかし、ここのステージの高さはフロアとさほど変わらない。
人垣の隙間からステージをのぞくようなに感じだ。
水の流れる音がはじまる。
これはあれだ、アルバムのラストを飾っている 「water」。
4人が登場し、横一列に並ぶ。
それぞれにハードカバー本を手にしている。
やがて、詩の朗読が始まる。
一人が読み終わるか終わらない直前に、次の朗読者がその声をかぶせてゆく。
朗読の重なり具合が絶妙で、その繰り返しに聞き入ってゆくと、
もう 「「ブクガ」 の世界に取り込まれてしまっている。
盛り上がる楽曲でオーディエンスを冒頭から鷲掴みにする方法とは対極だけれど、
これもきっと 「ブクガ」 の魅力のひとつにちがいない。
自分は新規で聞き込み不足のため、
曲名と楽曲が一致するまでには至っておらず。
しかし、これだけは言える。
前回の3人によるパフォーマンスでの感想を
「1名不在による空虚さは、まったく生じてはいない。」
と記載したのだが、
それは誤りであったということを。
コショージ、彼女が存在することによって、
最後のピースがピタッと収まって、まさにパズルは完成した。
コショージこそがこのユニットの中心。
ステージ上でリーダーシップを発揮しているわけでは決してないのだが、
コショージがいることによって、ほかの3人から安心感が伝わってくる。
ダンスパフォーマンスも、
4人で行うことによって安定感が生まれている。
もし、この4人でのステージを見たあとに、先日の3人によるステージを見てしまったら、
大きな欠落感が生じていたにちがいない。
そのコショージはもちろん初見だけれど、
笑顔と眼の表情が印象的で、そして色香がある。
望む望まないにかかわらず、男性が惹きつけられてしまうタイプだろう。
矢川葵、
ほぼクールな表情で、しかも、その顔立ちは4人の中では最も整っている。
そのためか、ボーイッシュに見えるときもある。
その顔を斜めから見た時、その美しさがさらに際立つ。
井上唯、
一見、つかみどころがなさそうなのだけれど、
時折見せるのは、その眼の奥に宿るパワーの強さ。
上目使いなそのとき、それが最も力強い。
和田輪、
子リスちゃんのような可憐さ、
唯一の眼鏡によってそれが倍加し、
さらにマイクを両手で握り締めることによって、可憐さは4乗になる。
そんな4人によるパフォーマンスは、
フォーメーションを守った、舞踊を思わせるコリオのときもあれば、
最前の方々が差し伸べているケチャに応えようと身を乗り出してくるときもある。
静と動、動と静、
その入れ替わりは見るものの視線をステージへと釘付けにしてしまう。
そして、その落差によってステージ全体にメリハリが生まれて、実に心地よい。
そしてなんといっても楽曲。
サクライケンタ氏のプロデュースするそれらは、
変拍子を主体としているので受け入れ難い方にはムリかと思われるかもしれないけれど、
それは第一印象なだけで、
耳に馴染んでしまえば、むしろクセになってしまうはずのもの。
そしてクセになってしまえば、
あとはステージ上の4人に自分の身体を任せてしまえばよい。
『my cut』、
「飛ぶよっ!」 と煽られて、そのまま彼女たちとその場でジャンプすると、
飛んだ高さはごくわずかなものだけれど、
自分の漆黒な日常、そこから飛んで突き上げた腕の先に、
漆黒がわずかな光によって藍色に変化している空間が待っていてくれるような気がして、
その空間にわずかだけれど近づきことができた一瞬があったのだ。
わが国でもっとも喧騒の街である、新宿・歌舞伎町。
その一角にある、きれいとはとても言い難いビル。
その5階に位置するキャパ120名強というライブハウス。
そんな小さな小さな空間に、
まだ若くて小さい、けれども奥深くて陰影に富んだ宇宙が出現していた。
その宇宙に包み込まれてしまうために、
ここでの次回のライブチケットを購入することにした。
【セットリスト】
1.water
2.最後の様な彼女の曲
3.lost age
4.Remove
~MC~
5.blue light
6.bed
7.夢の中へ
8.snow irony
(EC)
1.bath room
2.my cut
~MC~
3.blue light